約 3,654,236 件
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/79.html
「あ~知らないねぇ~」 「アイゼンの奴なんか知るはずないだろ!」 「だ~れ? そのおにぃちゃん? ねぇそれよりさぁ~♪」 「ウホッ! いい男」 ネパンプレス帝国に着いて三日間。四人は手分けして情報収集に勤めた。 一人は酒場で、一人は城で、一人は街中で、一人は広場でそれぞれ探したが、何の情報も得ることなく今日も日が暮れる。 四人は疲労――走り回った者もいれば、子供と遊んだ者もいて、何故か尻を押さえた者もいた――しながら、宿へと戻ってきた。 「あ‥‥お帰りなさい‥‥どうでした‥‥?」 四人共首を横に振る。 「そう、ですか‥‥。私の方もダメでした」 彼女は各店を聞いて回っていたが、そこでも何の情報を得ることは出来なかった。 「お店の方は‥‥最近、殆ど冒険者(ハントマン)は来ていないそうです」 彼女の耳が元気無さそうに垂れる。それを見て、やはり一人はにやけ、やはり隣りの仲間が背中を抓った。 「彼‥‥どこにいるんでしょうか‥‥? もしかして‥‥魔物に‥‥?」 彼女は不安からか、最悪の結末を口にする。四人は各々それは無い、と励ました。 「だって‥‥キャンプでは誰かが見ていたのに‥‥ここでは‥‥誰も‥‥」 悪い方向へと考えてしまう彼女の悪い癖は旅の途中幾度もあった。そのたびに、流砂を抜ければ、キャンプに行けば、砂漠に行けば、ネパンに行けばと延ばしてきた。が、どうやらそれも限界みたいだ。 彼女は疲弊からか、泣き出した。静かにしかし止めどなく溢れる涙を止める術を四人は持っていない。 困り果て、一旦戻った方がいいかと思い、宿を出る支度をする。その途中。 「アレ? もしかして‥‥アンタ達‥‥」 誰かが後ろから声をかけてきた。一人、自分の事かと振り向く。すると、どこかで見た三人組がいた。 「やっぱり! 覚えてる? ほら、カザンで会った!」 その言葉に四人全員がかつて、リタという女性の為に仲間を集めた懐かしい記憶を思い出す。 「いやーあの時は世話になったわね! おかげで最高の旅が出来てるわ! 本当にありがとう!」 元気よく、ハキハキと喋るリタに四人は少しばかりの元気をもらったような気がした。 リタは三人で行動しているのを一人が思い出して、他の人はと尋ねる。 「ん? あぁ買い出しに行っているわ。 三人ってのは辛いけど、何とかやっているわよ。でもたまにだけど、一人旅の人と一緒に行動する事もあるから多分ずっと三人でやっていくと思うわね。だってそっちの方が面白いもの!」 その向日葵のような満面の笑みに疲れがどっかに行ってしまったのか四人とも微かにだが微笑んだ。 ふと、一人が気付く。『一人旅と一緒に行動する』。まさかと思い、真剣な表情で問う。 「え? その男なら確かに会ったけど‥‥何で?」 その答えに他の三人もリタに詰め寄り、どこに行った!? いつ会った!? 自殺とか考えていなかったか!? 好きなタイプは!? と各々問いただす。 「ちょっ、落ち着いて! え、えーと‥‥確か三日前に出会って、今日の朝別れたの。 ネパンに行かないの? って聞いたら『あの耳を見たくない』って言うけど生まれがアイゼンだって聞いてたから深く言及しなかったわ。 自殺とかは考えていなかったと思うけど‥‥今思うと、ちょっと心配かも‥‥。 行き先は‥‥えーと、確か‥‥何だっけかな‥‥確か‥‥余り聞かない名だからちょっと覚えてないけど‥‥確か‥‥そう、ヒューロとか、そんな感じだった筈よ」 その言葉に一人だけ、ヒューロ氷洞‥‥! とまるで帝龍来襲の報を聞いた兵士のような顔をし、別な一人が知っているのか!? と、険しい表情で聞く。 ――ヒューロ氷洞。極寒の洞窟であり、己が武を極めんとする者達が行く修練場でもある。 だが、ヒューロ氷洞は常に氷点下を下回り、初代剣聖から始まる代々剣聖の愛用した剣が収められている場でもある故か魔物は愚か人間にまで狂暴化する。 その為重傷者、死亡者は勿論。その狂気に当てられ、元々の自分を見失う者が出てくる。 激痛により痛覚が麻痺し、身が滅ぶまで戦おうとする者。 恐怖の余り近づく者全てを殺そうとする者。 友の死という悲しみ、又は怒りに身を委ね、自暴自棄になりながらも剣を振るう者。 自らの終焉を悟り、自決をする者。 果ては戦う事ではなく、殺すことに喜びを感じ、殺人鬼として生きる者までもが産まれる場。それがヒューロ氷洞。この世の地獄とも言われる悪魔の地である――。 ヒューロ氷洞を知っている一人が皆に知っている全てを話した。 しかも、その狂気溢れる場は今やフロワロで埋め尽くされているものの、立ち入り禁止にならずに今でも修練する者が籠もっているらしい。 四人――三人とリタ――は冷や汗をかいた。 理由は三つ。一つ、行った場所がヒューロ氷洞という最悪の場。一つ、ここからだと山を越えなくてはいけないが、そのためには一週間を要すること。一つ、彼が――失恋して、死にたがっているのではないかということ。 全員が一瞬にして静まった。暫くして、リタがゆっくりと口を開く。 「‥‥え? えーと‥‥それじゃあ、何? もしかして貴方達が探している人があたし達と出会った人で、その人は誤解から失恋したと思い込んで、その‥‥ヒューロ氷洞ってとこで憂さ晴らししようってこと?」 一人が静かに頷く。 「そんでもって、そこは危なくて、死亡者も出てくる場所ってことで、その人はそれを知っていたんだから‥‥つまり‥‥自殺志願、の‥‥可能性、大?」 同じく、頷いた。 「‥‥じょ、冗談じゃないわよっ!」 リタは拳を握りながら、誰に言ったのかよくわからないが誰かに向かって叫んだ。 「あたし達は人助けがモットーのギルド! 自殺する人の手助けなんか絶対にさせないんだからね! それに‥‥あんた達には借りがあるんだから益々見過ごせないわよっ!」 すかさず、自分の荷物を取り、出発の準備をする。 「あたし達は一足先にそのヒューロってとこに行くわっ! じゃあねっ!」 叫ぶなり、リタは走り出した。階段を下りようとした時、止めようとしたが、声すら届かなかったのだろう、わき目もふらず走っていく。 リタの目は本気だった。彼女のこの一直線の性格は、彼女が仲間を作るのに苦労した最大の要因であり、今の仲間を惹きつける最大の要因であるのだろうと、改めて納得した。 ◇◇◇ 「ったく‥‥迷子になるから俺から離れんじゃねーよってあれほど行ったろうに‥‥」 「す、すみません‥‥あれ? あれってリーダーじゃ‥‥」 「ん? 本当だ。オーイ、リーダー。宿とってく「それどころじゃないっ!」 「え! あ、おいリーダー! ちょっ、そんな急いでドコ行く「ヒューロよ! 山越えよっ!」 「は? リーダー説明を‥‥「良いから来るっ!」 「‥‥はい」 「うぅ‥‥久しぶりのベッド‥‥」 ◇◇◇ 四人はすぐさま、支度をするため、振り向いた。そして、止まった。そこには彼女がいた。手が微かに震え、口は僅かに開閉しつつ短い間隔で呼吸し、目を見開いていた。 彼女は静かに言葉を紡ぐ。 「‥‥うそ‥‥だ‥‥」 彼女は静かに言った。それだけ言った。そのまま彼女は涙を流し、何も言わなかった。 「ここは‥‥」 黒。ただ暗い闇の世界の中。彼女は何故、ここにいるのか分からなかった。 『大丈夫か?』 『‥‥い』 声が聞こえる。振り向くと、そこは夜の路地。一人の少年が一人の少女に向かって、手を差し伸べていた。 「あれは‥‥」 この光景に彼女は見覚えがある。これは自分の記憶だ。同時にこれは夢であることが分かった。 だが、この先を思い出せない。自分の記憶なのに何故思い出せないのか分からない。 疑問は解消されないまま、少年と少女は動く。 『ここにいると危険だ。早く‥‥』 『‥‥さい』 あの少年は【彼】だ。そして、あの少女は私だ。紛れもない。これは彼との出会いだ。客観的に見ているが、これは私と彼の出会いだ。 そこまで思い出して、だがこの先の事が思い出せない。 疑問は解消されないまま、少年と少女は動く。 『どうした、早く『うるさい!』 少女は吠える。その声に彼女はビクリとした。 これは自分の記憶だ。あの少女は自分だ。では何故彼に対してあんな声をするのか。 「‥‥あ、あぁ‥‥あぁ‥‥!」 そこまで考えて、全部思い出した。この先に起こることも全部。 ――駄目。駄目‥‥! 駄目! 彼女は叫んだ。いや、叫ぼうとした。だが、声はでない。さっきまではあんなに簡単にだしていたのに。 『何を――』 『うるさい! だまされない‥‥! もう、わたしはだまされないっ!』 少女はいつの間にかナイフを持っていた。どうして持っていたのか、そんな疑問すら彼女は浮かばずに必死に止めようと走る。だが、幾ら走っても彼女は少女の元に辿り着けない。 少年と少女は動く。 『落ち着いてくれ! 俺はそんなつもりはない!』 『だまれっ! そういってちかづく‥‥! もうだまされないっ!』 ――違う。彼は、彼は本当に私の為にしてくれた。だから、だから‥‥! 『‥‥』 『! く、くるな!』 『俺は‥‥お前を手当したいだけだ』 ――止めて。止めて止めて止めて止めて止めてっ‥‥! 『くるなぁ!』 『‥‥刺したければ、刺せよ』 『あ、うぁ‥‥!』 少女は、動いた。 少年は、動かなかった。 『うぁああああああああ!』 「止めてぇええええええ!」 肉を抉り、骨をも削り、生暖かい血の音と感覚。それらを彼女は『思い出した』。 「はぁ! はぁ‥‥はぁ‥‥」 彼女は起きてすぐ、自分が何か、硬いところで寝ていた事に気が付いた。 すると横からここ数日見慣れた顔があり、その人は喜んだように他の人の名前を呼んだ。 「‥‥あ」 彼女は思い出した。彼に関する情報を。余り声は大きくなかったが、ルシェ族特有である発達した聴覚は聞こえていた。 聞きたくなかった。それが彼女が聞いてしまった情報の感想。 ――彼は自殺をしようとしている。 知りたくなかった。そこまで彼を追いつめてしまっただなんて。 知りたくなかった。自分の臆病さ故にこんな事になってしまっただなんて。 知りたくなかった。彼が死のうとしているだなんて。 「私の‥‥せいだ‥‥」 全ては自分の臆病さから始まった。 全ては自分の卑怯さから始まった。 全ては自分の無力から始まった。 全ては自分の生まれ――ルシェである事から始まった。 「‥‥私が‥‥ルシェだから、だ‥‥私が‥‥!」 そう考えた彼女は近くにあったサバイバルナイフを取り、自分の頭上にある忌まわしき耳へと刃先を向け、力を込める。 一瞬だった。 ◇◇◇ 気付いたら、誰かが泣いていた。何故泣いているのか彼女は分からなかった。 しかし、握ったナイフが側に落ちていて、それは血が付いていて、それが自分がさっきまで持っていたナイフだと気付いて彼女は理解した。 「‥‥ごめんなさい」 この人は自分の為に泣いているのだ。自分の身勝手で軽はずみな行動がこの人を泣かせてしまったのだ。彼女はそれを理解した。 ふと、自分の耳はどうなったのか気になった。動かしてみると痛みが襲ってくる。 それに気づいた別な一人――ヒーラーだろうか。応急処置程度のキュアを教えてくれた人――が答えてくれた。 右耳が中ほどまで切られているが大事には至らないこと。念の為、後一日だけ、包帯は巻いておくこと。丁寧に教えてくれたその人に対してごめんなさいと、彼女再度謝った。 「私の‥‥私の話、聞いてくれますか‥‥?」 彼女の問い掛けに全員が肯定した。 彼女は言わなければならないと知っていたし、彼らも聞かなければならないと思っていた。 彼女と『彼』の話には矛盾があった。 彼は彼女の想い人ではない。なのに彼女は彼が想い人だと言っていた。それがまず一つ。 二つ目に彼女の話に肝心の場面――彼との出会いが無い。最も大事で、最も話したがる場面を彼女は隠していた。 そもそも何故、彼女は彼が想い人だと知っているのか。愛の力だとかそんなので決め付けるのはおかしいし、第一初めて出会ったのはアイゼンで次に会ったのはゼザだ。幾ら何でも気付くとは思えない。 計三つの矛盾は全員が気付いていた。だが、彼女が喋りたくなければそれでもいいと思っていた。 しかし、ここまで彼女と彼を追い詰める事となれば、流石に事情を知らなければいざという時危険である。 最悪、何か出来たのに、何も出来ない事態になる事だってある。 彼らは彼女の話を聞くため、そこら辺へ座る。 「私と彼の関係‥‥使用人と貴族と‥‥以前は言いました」 彼女は自らの過去を、真実の過去を話す。 「本当は‥‥違うんです‥‥私は‥‥私は‥‥!」 ――奴隷、なんです。今も‥‥あの男の‥‥。 ゆっくりと、しかし確かな声で彼女は話し始めた。 ◇◇◇ 男は考えた。 今、やって来たのは人だった。男が殺したのはその人だ。その人は自分を殺しにかかってきたのだから。 男は考える。 何故この人は自分を殺そうとしたのだろうか。どうして敵意もない自分を殺そうとしたのだろうか。そもそもこの人は誰なのだろうか。もしかしたら知人かもしれない。 男は悩んだ。 どうしようか。これは殺人だ。殺人は犯罪だ。故郷を捨て、家族を捨て、全て八百万の神々の名の下に誓ってまで捨て去った自分の一切が、今自分の頭の中を駆け巡る。 男は気付いた。 殺気が自分に向けられているのが。それが『人』であることに。そして自分の周りに魔物までがいることを。 男は動いた。 ただ、死にたくないと思ったから。ただ、一度でいいから彼女に謝りたかったから。 男は武器を取り、その殺気へと、自ら歩み寄った。 男は動くことだけは止めなかった。だが、『動くこと』意外は一切止めた。 男は何かを失った。大事な何かを失った。男は気付いたが、それが何なのか分からない。暫くして――男は、考えるのを止めた。 ◇◇◇ ◆◆◆ 彼女に父親は存在しない。彼女に母親は存在しない。生まれは貧民街。育ちは孤児院だった。 物心付いたとき、彼女は黒髪の男に暗いところへつれて行かれ、こう言われた。 ――私の名はジェン。ようこそ、欲望の溜まり場へ。 記憶に残っている内、一番最初に口にくわえたのがペニスだった。一番最初に貰ったのが首輪だった。一番最初の人はその黒髪の男だった。初めて泣いたのも、その日だった。 六歳の頃、彼女は首輪をつけたまま箱に入れられ、誰かの家に運ばれる。 そこは彼女の『主人』となる者の家。そこからが、彼女の本当の地獄だった。 朝起きて、犯される。幼い彼女の体は中年男性の肉棒により、何も出来ずに弄ばれた。 朝食はパンと水。昼までは彼女は地下牢に入れられる。地下牢の中では水に混ぜられた媚薬により、性の快楽に狂いながら自慰をし続ける。 昼になり、彼女は仕事から戻ってきた男に鞭で叩かれる。 彼女にそんな性癖は無い。喜ぶはずがない。だが、媚薬いや、『躾』により、無理矢理彼女は悦ばされる。男はそんな彼女を縄で縛ってまたどっかへと行った。 夜になり、彼女は首輪だけをつけたまま、夜の『散歩』をさせられる。途中、変な薬を性器に塗られ、犬と交わらされた。 そして、体を井戸水で洗った後で彼女はまた犯される。 どんなに嫌がろうが、男は嫌がる彼女を寧ろ楽しみ、疲れるまで犯した。無論、彼女はそうなる前には既に失神しているが。 そんな日々が一週間続き、いきなりピタリと止んだ。 彼女は思った。 ――たすかった‥‥わたし、たすけられたんだ‥‥! 彼女はきっとどこかのヒーローが助けてくれたと思った。思いたかった。 首輪が繋がれたままでは逃げられないが、きっとヒーローが解いてくれるはずだ。それは現実になるはずなのだ。 だがそれは現実にはならなかった。 次の日の早朝、彼女は男の顔を見て、ヒーローは来ないことを悟り、絶望した。 男は言った。 『一番偉いのは誰だ?』 彼女は答える。 『‥‥あなたさまです』 『そうだ! 俺はいつか皇帝になる男だ! 分かったらとっとと舐めろ!』 横暴な男が差し出したのは肉棒ではなく、靴だった。 彼女は舐めるしかなかった。 男は命令する。 『もういい! とっととケツを差し出せ!』 彼女は従う。男は彼女の頭をベッドへと押し付け、その時首輪が首に当たり痛かったが、直ぐに彼女は別の痛みに声を上げる。 『くそっ! あの若僧‥‥リッケンとか言ったな‥‥! 俺が皇帝になればあんな奴‥‥! あんな奴如きぃ!』 男は何か叫んでいたようだが、彼女にとってどうでも良かった。 もしかしたら、その『リッケン』という人が助けてくれるのかもしれないが、彼女はそんな人知らないので、考えるのを止めて、意識を手放した。 幼き彼女の日々は筆舌しがたいほどの苦痛の連続で、男の性格は筆舌しがたいほど最低だった。 春、彼女は『休ませて下さい』と願った。 男は彼女の手首を荒縄で縛った後、その余った荒縄で彼女を宙吊りにして、半日程鞭で叩いた。 その後、塩水を彼女にかけて、丸一日放置した。それが休暇だと言って。 夏、彼女は『暑い』と言った。 男は風呂に冷水をためて、手首を繋がれた彼女に『飲め』と命じた。言われるまま飲もうとするといきなり髪を抑えつけられ、冷水へと入れられた。 息が出来ずもがいていると、急に上げられ息をしようとせき込んでいると愛撫も無しに挿入され、また冷水へと入れられた。それを何度か繰り返すと、男はボヤいた。 『こういうのもいいな』と。 以降暑い日は、彼女はこれをされるようになった。 秋、彼女は『お腹が空いた』と口にした。 男は地下牢に彼女を首輪だけの姿で入れて、同時に裸の男を4、5人入れた。 彼女は輪姦されながら、男の声を聞いた。 『たらふく精液でも飲んでろ。雌豚』 週に一度、彼女は輪姦されることなった。 冬、彼女は『寒い』と呟いた。 男は彼女の首輪の鎖を自分の犬の首輪と繋ぎ、外からは見えない庭へと放した。彼女は何も着ていないので震えが止まらず男に『服を下さい』と言った。男は応えた。 『寒いならそこの雄と交わればいいじゃないか。薬で発情させたから安心してヤりたまえ』 彼女は男の言葉に従い、男はそれを見ながら酒を飲んでいた。 彼女が何を言っても、男はそれを口実に彼女で遊び、犯した。 彼女は何か言えば、男にヒドい目にあわされると知ったので、彼女は七つの頃には余り喋らなくなり、八つの頃から、何も言わなくなった。 男はそれさえもネタにして、どうやったら喘ぐかゲームをし始めた。彼女は何も喋らなくなってから半月で、何もしなくなった。 ◇◇◇ 九つの頃、彼女は買い物を命じられた。他の使用人が風を拗らしたらしい。彼女は雪降る中、上下それぞれボロボロの服を一枚ずつ着て、買い物へと向かった。 その道中、彼女は路地裏へと連れ込まれる。男が三人、そこにいた。 一人が彼女の喉元にナイフを突きつけながら、動くなと言う。 彼女は言われた通りに何もしなかった。言われるがまま彼女は犯さた。 次に目が覚めるのは路上で、帰ったら今度は何をされるのだろうか。出来れば痛く無いのがいい。そんな感じの事を考えていた。 誰かが助けに来る何て希望はもう持たない事にしていた。どうせ絶望してしまうのだから。 ふと、彼女は気付いた。触られている感触が無い。不思議に思い、目を開ける。 そこには誰かがいた。 暗くて顔がよく見えないが、身なりから貴族だと言うことは分かる。その貴族の足下には先程の男達三人全員が倒されていた。 【彼女】と【彼】はこうして出会った。 それは神の気まぐれか、悪魔のイタズラか。 彼と出会った彼女は、初めて人の【温もり】を知り、同時に一生背負う【罪】を犯した。 ◆◆◆ 『はぁ‥‥! はぁ‥‥はぁ‥‥』 『ぐっ‥‥!』 何故彼女は彼を刺したのか。それは初めての【温もり】が皮肉にも、彼女にとって恐怖だったのだろう。 今までみたいに『何をされるか』が分かれば何も考えずにすむ。だが彼の『助ける』という行動は初めてだった。 そこから何をされるかわからない。もしかしたら本当に助けてくれるかもしれない。だが希望を持てば裏切られた時の絶望感が如何に大きいか、彼女は幼いながらも知っていた。 だから彼女は希望を持たなかった。なのに心の何処かでは助けて欲しかった。 それは痛みであり、悲しみであり、にもかかわらずに悦んでしまう自分自身から。彼女は解き離れたかった。誰でもいいから助けて欲しかった。 だけど彼は貴族だった。彼女に危害を加え続けてきた貴族だったのが、彼女を凶行に向かわせてしまったのだ。 『痛く、ねぇ‥‥!』 『! ひっ‥‥!』 彼女は彼を刺した。だが奇跡的にも急所は免れた彼は彼女の持つナイフを掴んだ。 『は、はなせ!』 『ぐっ! ‥‥断るっ!』 暴れる彼女によって刺さるナイフに腹を抉られ、激痛が彼を襲う。だが彼は決して彼女に暴力は振るわなかった。 『なんで‥‥! なんでなぐらないっ!』 彼女は喋っただけでも殺されかけた。だから彼女は何もしなくなった。なのに彼はここまでされて何もしない。 何故ここまでするのか。理由は単純だった。彼にはただ一つの信念があるからだ。 『それは‥‥俺、は‥‥』 その信念とは―― 『俺、は‥‥アイゼンの、民‥‥だから、だ‥‥!』 『アイゼンの民は、決して‥‥女性に暴力を、振るわない‥‥!』 彼の父母は最低だった。権力を盾に好き放題していた。だから彼は父母が嫌いだった。 『アイゼン、の‥‥民は、決して、人を‥‥見捨ては‥‥しない‥‥!』 彼の祖父母も最低だった。昔の栄光だけを語り、その時の悪習を平気でしていた。だから彼は祖父母も嫌いだった。 『アイゼン‥‥の、民、は‥‥たと、え‥‥死ん‥‥でも‥‥絶対に、守、る‥‥』 彼が好きだったのは、この国だけだった。 『国とは人だ』と、偉人は言う。確かにそうだ。国は人が造ったのだから。人がいない国など国ではない。 だが、彼の言う国とは【国家】ではない。【国風】なのだ。 彼は父母が、祖父母が、アイゼンの貴族が、全てを諦めた貧民達が嫌いだった。 彼は【アイゼン】が好きなのではなく、【アイゼンの民】が好きなのだ。 彼が命懸けで彼女を助けたのはただそうありたいと思ったから。それだけなのだ。 当時、彼はまだ十二。アイゼンではその年ではもう立派な大人としてのその心構えは身につけられていた。 だが、だからと言って、彼のような行動をとれる人間は果たして何人いるだろうか。 助けたのに、ナイフで刺され、それでもその信念を貫く彼こそ、世の人が言う【アイゼンの民】であろう。 『だ、から‥‥安、心‥‥し‥‥』 『あ‥‥』 彼はそれこそ【気合い】だけで立っていた。たが、痛みと出血により、とうとう倒れてしまった。覆い被さるように崩れてきた彼を抱きしめて、『あ、あぁ‥‥ぁあああああああああ!』 理解した。彼女はここまで来て、やっと自分の犯した【罪】の大きさを理解した。 『いや‥‥! いかないで‥! いやだ‥‥いやだぁああああ!』 彼は自分を初めて助けようとしてくれた人であること。 彼こそ、彼女を苦しみから解き放ってくれるであろう人であること。 そして、その彼を、自分が殺そうとしていたこと。 彼女は償うように、彼の魂が逃げぬように、幼く小さい手で彼を抱きしめた。 『いや‥‥! いかないで‥! いやだ‥‥いやだぁああああ!』 彼は自分を初めて助けようとしてくれた人であること。 彼こそ、彼女を苦しみから解き放ってくれるであろう人であること。 そして、その彼を、自分が殺そうとしていたこと。 彼女は償うように、彼の魂が逃げぬように、幼く小さい手で彼を抱きしめた。 ◆◆◆ そこから先、彼女は覚えていない。 気がつけば男の屋敷の地下牢でうずくまっていた。男が何か言ってきたのだがそれさえも無視する。 ただ、彼が無事なのか。それだけを想っていた。 しかし、もし助かったとしたら一番立場が危ういのは彼女である。 血まみれの服を着て、無気力に座っている彼女の姿を見れば、誰が見ようが犯人が彼女というのは一目瞭然だった。 彼女自身の保身を考えれば、彼を助けるのは得策ではない。ならば何故、彼女は彼を助けたのか。 ――独りになりたくない。 今、彼女の願いは、ただそれだけである。 彼は彼女の味方をした初めての一人であると同時に、彼女にとって唯一の【人間】なのだ。 彼によって彼女は【独り】であることの【寂しさ】を知り、【誰か】といることの【温もり】を知った。 もし、彼が彼女の前に現れなかったら、彼女はずっと生きようとしただろう。何を犠牲にしてでも生きようとしただろう。 だが彼女は味方がいることの温もりを知った。独りきりでいることの寂しさを知った。 だから彼女は決めたのだ。 自分の全てを彼に委ねる、と。 彼がいなくなれば彼女の味方はいない。独りになる。 そうなれば寂しさという名の【絶望】に、彼女は自殺するだろう。いや、『する』。確実に彼女は、どんな手を使ってでも死のうとする。 彼女にとってはもはや、独りで生きることが苦痛になるのだ。 ――同じ死なら彼に委ねたい。 そう考えた彼女は自然に、笑顔になった。生まれて初めて――皮肉にも、喜びを表す【笑う】という単語を教えてたのは、彼女を初めて犯した黒髪の男だったが――彼女は笑った。 『‥‥? あぁ‥‥わらう、って‥‥こう、するんだ‥‥』 彼女は笑い続ける。静かに、笑い続ける。 余りにも異常な彼女の笑い声は、彼が聞けば、それは『たすけて』と叫んでいるように聞こえただろう。 だがしかし、 彼はまだ、目覚めない。 ◆◆◆ 翌朝。彼女は男に呼ばれた。 覚束ない足取りで男に髪の毛を掴まれ、ある部屋の前へと連れて行かれた。 そこで彼女は置いていかれ、男だけが部屋に入る。 『おはようございます。お体の方はどうでしょうか?』 『あぁ‥‥大丈夫だ』 その部屋にいたのは彼だった。 そう思うと、無表情だった顔がたちまち崩れる。頬は火照り、目は潤い、頭上の耳はピクリピクリ、とせわしなく動いた。 もし、ここに男がいたのなら久々の感情を出した彼女を問答無用に犯していたのだろうが、ここにいるのは彼女だけ。その心配は皆無である。 『そうですか。ところで、あなた様にお見せしたい物がありまして‥‥』 『何?』 『少々お待ち下さい‥‥おい! 早く入ってこい!』 男の怒声が耳に入り、おそらく、自分のことだろうと彼女は思い、部屋に恐る恐る入った。 『君は‥‥』 『あれはウチの使用人が捕らえた貧民でして‥‥血まみれの服を着たまま徘徊していたのを偶然、見つけたのです。 いやー運がよいのは日頃の行いの賜物でしょうかねぇ! はっはっはっ!』 『‥‥!』 男はどうやら、責任逃れをするだけではなく、あわよくば褒美を貰おうとしているのだ。 何て図々しい奴なんだと、彼女は憤りを感じるが、ここで何を言っても後で【お仕置き】されるのは目に見えていたので、彼女は何も言わなかった。 『そうか‥‥』 『そうです! 私があなた様の代わりに罰を入れてもよろしかったのですが、それではあなた様の気が晴れないと思いまして‥‥。 どうでしょうか? いっそのこと、この女は見せしめの為に首を落として‥‥』 『いや、その必要はない。‥‥少し、彼女と二人にしてくれ』 『は? はぁ‥‥ですが、『一つ、言っておこう』 『え?』 彼はゆっくりと呼吸し、目を閉じ、溜め息を吐いた。そして―― 『 出 て い け 』 ――威厳。齢わずか十二である彼の眼光は鋭く、声の一言一言が鉛のように重く、聞こえただけの彼女でさえ、まるで蛇に睨まれたカエルのように身体が麻痺した。 『はっ、はいぃ! いい今出て行きますっ!』 一体、男にはどのように聞こえたのだろうか。男は見て分かるほどに冷や汗をかき、あたふたと急いで出て行った。 『こっちに来てくれ』 男が出て行って暫く。彼は口を開いた。 ――さっきの声は一体何なのだろうか。 そう、疑問が残るほどの優しい声で彼は言う。 『‥‥』 『聞こえているんだろう? こっちに来てくれ』 彼女は動かなかった。 その様子に再度彼は話しかける。 『別に君に危害を加えるつもりはない。話がしたいだけなんだ』 そんな次元の話では無いのだ。彼は名実共に、天の人である。(実際、彼女自身にとって別な意味で天の人なのだ) 無論、彼女は断った。 『‥‥だめ、です』 『言っとくがな、身分とかそんなのは関係ない』 本当は彼の側へ行きたいし、彼と話したい。 しかし、そもそも彼は貴族で彼女は奴隷で、しかも彼女は彼を刺した張本人。 彼の下へなど行けるはずがなかった。 『‥‥そうか。なら、動かなくていい』 『はい‥‥』 彼女は肯定しながら、残念そうに俯き、耳を垂れる。 彼女自身、その態度が無礼なのは分かっていたが、いくら頭で分かっていても、こればかりはどうしようもなかった。 その彼女の姿を見て、何を思ったのか(あるいは最初からそうするつもりだったかもしれない)。 彼はまだ痛む腹を右手で抑え、着物を整えると、 『君は、な』 ベッドから出て、彼女へと歩いていった。 『え‥‥? !?』 彼の発言に最初、理解出来なかった彼女の目に映ったのはあの時――彼と初めて出会った時よりも、はっきりと分かる彼の姿。 分かるや否や、彼女は後ずさろうとした。が、 『おい、動 く な よ ? 鬼ごっこは好きじゃないんだ』 やや強い口調の彼の言葉に彼女はまた麻痺した。 彼の不思議な喋り方もあるのだろう。だがそれよりももっと根本的な理由があった。 彼女はルシェ族である。 獣の因子を残したまま人へと進化したルシェ族は、その名残からか、より強い者へと惹かれる傾向がある。 彼女も例外ではなかった。 だが、彼女の頭の中では最も弱いのは自分であると定義していたが、最も強いのが誰なのかはまだ分からなかった。 男は強いか。という問いに関しては答えは『ノー』である。 それは威厳ある行動が――強者故の威風堂々たる姿が見られなかったからだ。 弱者を虐げるしか出来ない小者だというのは幼き彼女でも理解できた。 しかし、彼はどうだろうか。まだ幼さのある顔に未発達の身体。 なのに確たる自信に満ち溢れ、威張るのでもなく、諂うのでもなく、悠々自適に不自然にならずに胸を張って歩くその姿。 それはまるで王のよう。彼女の本能はそれを感知した。 故に彼女はもう逃げられない。 彼女の脳が、心が、足が、指の先に至るまでの身体全てが、彼の言葉によって支配された。 その間に彼は彼女の目の前にいた。 『さて、まず言って欲しいことがある』 『あ‥‥?』 彼は問いかける。 『君は、俺に何をしたっけ?』 『! ご、ごめんなさいっ! あわわたし、あの、その‥‥! な、なんでもします! なんでもしますから!』 何と自分は無礼なのだろうか。彼を傷つけ、あまつさえ殺す一歩手前だというのに謝罪もせず、あまつさえ呆けていたとは。 『ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!』 彼女は自分の愚かさを酷く恨んだ。 『ん。よし、いい子だ』 しかし、それでも彼は彼女を笑って許す。 それがまた一層、彼女にとっては魅力的に見えた。 『さて‥‥少し、お願いがある』 『おねがい‥‥?』 彼は彼女の手を引き、ベッドへと腰掛けるよう促した。 『今から君に質問する。『はい』か『いいえ』で答えてくれ。答えたくないならそれでもいい。いいか?』 これから何を聞かれるのか彼女は不安だった――もしかしたら男との情事を気いてくるかもしれない――だが、彼女は彼の頼みならいくらでも聞きたいし、応えたい。 『‥‥はい』 彼女はゆっくりと首を縦に振った。 ◆◆◆ 『お、お話はすみました、かな‥‥?』 部屋から出てきた、二人の姿を見て、薄ら笑いを浮かべた男が近付いてくる。 『えぇ、話もすみましたし、これ以上お世話になるのもご迷惑になるでしょうから、そろそろ家に戻ろうかと思います。誠にありがとうございました』 『そ、そうですか。ご遠慮なさらずにゆっくりしても構いませんが』 先程とは打って変わった彼の態度に少々違和感を感じた男だったが、特に疑問に思うことなく会話する。 『ところで、少しお尋ねしたいのことがあるのですが‥‥』 『? 何ですかな』 『彼女‥‥確か、貧民街の者なんですよね?』 彼の質問に男はドキリとした。 ――よもやこのガキ、『ホントはあなたのでしょ』とか言うんじゃ‥‥!? そう考え、男は先の問いに対して肯定する。 『そ、そうですが‥‥』 『あぁ、なら良かった』 『良かった?』 彼の言うことに疑問が浮かぶ。 何が『良かった』のか。まさかアイツを殺しても足がつかないからとかか。 男は訳が分からない。そして、彼の言葉に男は一緒、時が止まった。 『えぇ、貧民街の者というなら私が雇っても何の問題も無いな、ということで良かったと言ったのです』 『!?』 男は驚愕する。彼女を雇う。つまり自分を刺した相手を自分の家に招き入れるというのだ。常軌を脱した彼の言葉に男は反論した。 『や、雇う!? いや、だって、その、アイツは貴方様を‥‥』 『アイツ? まるで前々から知っていたような物言いですね』 彼の言葉に男は冷や汗をかいた。 『い、いいいいえ! そんな奴知りません! それよりアイツ‥‥いえ! あのルシェを雇う何て危険です! 貴方様を殺そうとしたガキですよ!?』 『えぇ、刺されました。で、それが何か?』 『○★△■!?』 彼は平然として言った。それを聞いた男は何を言っているのか分からない声を出す。 彼は続けて言う。 『彼女を狂気に駆り立てたのは環境です。よほど荒んだ日々を送っていたのでしょう。 私個人としてはその環境に追いやった人物を見つけ次第、さらし首にしてやりたいところです』 男はゾッとした。彼はまだ子供とは言え、彼の立場は自分より上なのだ。 つまり、彼が男を無礼者と言えば、ホントにさらし首になりかねない。 怯えた男は同意の言葉を発する。 『そそそそうですねぇ~! 全くもってけしからん!』 『そうです。と、言うことでより良い環境で育む為、私が使用人として雇おうと思いまして』 その言葉に男は焦る。高い金を出して買った奴隷を一文の金も貰わずに手放すなんてそんな馬鹿な話があってたまるものではない。 『いやはや、確かに貴方様の心構えはご立派。ですが、凶暴なルシェを貴方様と一緒にして怪我でもなされたら危のうございます。 どうか私めにお任せを‥‥』 男の提案に彼は当然のように反論する。 『いや、これも教育だ。何より私は彼女ともう約束した』 『ですがルシェなぞ当てには‥‥』 男のしつこさにいい加減ウンザリした彼はため息をつき、言葉を紡いだ。 『伯爵殿』 『な、何ですかな?』 『私が彼女を雇うのが、そんなに気に食わないか? なぁ、 伯 爵 殿 ?』 空気が変わる。 瞬間、男はガタガタと震えだした。 『ひっ‥‥! あぁああ‥‥!』 『そもそも私に意見を言ったのか? 成金上がりの伯爵風情が、私に? 公爵家の私に意見を申し立てるのか? なぁ、ど う な ん だ ?』 男は震えたまま動けない。 『い、いぃえ、そそれは、そ、その‥‥』 『言い訳の前にする事があるだろう? なぁ?』 『! ‥‥も、申し訳ありません!』 彼の後ろにいた彼女は信じられなかった。 あんなに自分に対して横暴な男が、彼の前ではまるで奴隷のような振る舞いなのである。 『では、私はこれで‥‥世話になった』 彼は彼女を呼び寄せ、屋敷を出た。 『クソ‥‥クソったれがぁ! あんなガキがッ! 図に乗りやがって‥‥皇帝になるのは俺だ‥‥! 俺のはずだ! あんなガキ‥‥あんなガキ如きぃいいい!』 喚く男の声に怯える人間はもういない。男の憎しみを受ける人間はもういない。 ただ男のやり場のない憎しみの声が、屋敷に響きわたるだけであった。 ◇◇◇ 「私は‥‥彼に助けられ、仕え、生きてきました」 彼女の話は、全てを語ったわけではない。もっと酷いことや辛いこと、それこそ、地獄のような日々を彼女は過ごしてきた。 だからこそ、彼女は全てを語れない。もし言ったら、彼女はその苦痛を思い出しては泣き出し、また彼らに迷惑をかけると思ったからだ。 彼女は冒険者ではない。 ただの店員で、心も身体も鍛えてない弱者だ。 悪夢に怯える一人の少女だ。 それを分かっている彼らは何も言わずに、ただ彼女の話を聞く。しかし、 「‥‥今、話せるのは‥‥ここまでです」 彼女はここで話を止める。 彼らはどよめいた。ここまで話して、今更何を隠そうというのか。 彼らの内、一人が何故と問いかける。 助けられた後どうなったか。彼と何故別れたのか。何故彼は彼女を知らなかったのか。 様々な疑問と不満が残る彼らに彼女は答えた。 「すいません‥‥本当は話すべきでしょうけど‥‥話すわけにはいきません」 彼女は続ける。 「ただ‥‥これだけは言えます。 喋れないのは私の保身のためです。 言いたくないのは私が臆病だからです。 そして、何より私には――拭いきれない『罪』が、あるからです‥‥」 静寂が一瞬生じた。 「これは‥‥彼も知りません」 だから許して下さいと言わんばかりに、彼女は押し黙った。 彼らは仕方がないと思ったのか、自分の寝床へと戻っていく。 「‥‥ごめんなさい」 彼女は一人、呟く。それは形だけの謝罪だった。 彼女は臆病者である。彼に拒絶されるのを何よりも怖がった。 彼女は卑怯者である。自分が傷つくのを恐れ、何かを盾にしてきた。 彼女は無力である。どんなに彼女が頑張ろうが、不可能なモノは不可能だった。 そして、彼女はルシェである。それを口実に彼に怯え、諂い、逃げてきた。 彼女はそんな自分を理解してたから余計に自分が嫌いだった。 ここまで状況が悪化しているのに自分の保身の為に信用してくれた彼らから隠し事をしている。 「(分かってる‥‥けど‥‥けど‥‥)」 それが最低な行為だと分かっていたが、彼女は喋るわけにはいかない。何故なら、彼女の罪とは――。 ◇◇◇ ――【彼】は、そこにいた。ただ何かを探していた。 ナイ。 ナイ。 ドコニアル。 【アレ】ハドコニアル。 ナイ。 ドコニモナイ。 【アレ】ハ、タイセツナモノダ。 カノジョニヨクニタ、アノコカラモラッタ、タイセツナ―― 「ナンダ‥‥?」 【アレ】トハナンダ? ワカラナイ。 ワタシハ、ナニヲスレバヨカッタノカ。 ワカラナイ。 「シネ‥‥シネ、シネェエエエ!」 「!」 ――血にまみれた男が一人、そこにいた。男は何かを悩んでいた。 コロシタ。マタコロシタ。コンナンジャ、カノジョニキラワレル。キタナイト、カノジョニキラワレル。 カノジョノタメニ、ワタシハスベテヲステタノニ。カノジョニキラワレタラ、シヌシカナイ。 コロサナイト。ミタヤツゼンブ、コロサナイト。 「ミタナ‥‥?」 コロス。ミタヤツゼンブコロス。 「ワタシヲ、ミタナ‥‥?」 コロセ。コロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセコロセッ! 「コロス。コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスッ!」 ――鬼神が一体、そこに生まれた。人の影は、今はもうない。 ◇◇◇
https://w.atwiki.jp/monmas_x/pages/1707.html
ランスドラゴン 種族 タイプ 属性 レア コスト HP 攻撃 魔力 防御 素早 パッシブスキル名 パッシブスキル(最大時) ドラゴン 魔法 光 ★4 15 1608 877 2111 961 988 気高き大槍竜 【全】HP1.85倍+魔力1.3倍 詳細 アビリティ 【個】HPが300アップ 【個】防御が150アップ 【個】魔力が600アップ 【個】HPが600アップ 【個】沈黙耐性が14%アップ ★4スキル ホーリー 【魔】敵単体に光属性魔法 今日 - 昨日 - 合計 -
https://w.atwiki.jp/oreca2012/pages/640.html
フロスドラゴ パラメータ 初期コマンド 覚える技 フロスドラゴ 出現条件 クラスチェンジ派生 解説 コマンドサンプル(【フローズンブレス】型・コマンド潜在) フロスドラゴ パラメータ 属性 水 HP 203-215 クラス ☆☆☆ 攻撃 38-40 種族 ドラゴン 素早さ 42-44 EX(ボタン連打) フローズンレイ→コールドフローズンレイ 入手方法 フロドラ(Lv10)でクラスチェンジ CPU対戦時アイテム こおりのかたまり こおりのかけら(レア) 初期コマンド # ★ ★★ ★★★ 1 (フロドラ(Lv10)から継承) こうげき 2 こうげき! 3 アイスブレス 4 フローズンブレス 5 フローズンブレス 6 カチワリゴオリ 覚える技 単体選択攻撃 こうげき こうげき! ランダム攻撃 カチワリゴオリ 全体攻撃 アイスブレス フローズンブレス 防御 回復 強化 召喚 異常 EX増減 コマンドパワー増減 ためる ★→★★ ★★→★★★ 技変化 無効 ミス フロスドラゴ 出現条件 クラスチェンジ派生 フロスドラゴ(Lv10)+ブルースピリット→凍竜フロストドラゴン フロスドラゴ(Lv10)+グラディウス→時空竜ビックバイパー フロスドラゴ+キャプテン・アズールor怒の海賊アンカーor重装騎士クラン→氷の騎士スタルカ 解説 第5章において多くの進化先を持つモンスター。 氷技で突き進むなら正統進化させて凍竜フロストドラゴンに、対BOSSやトリッキーな技で相手を翻弄させたいなら時空竜ビックバイパーに進化させよう。 また、氷の騎士スタルカの進化素材の一つでもある。 第5章の主要モンスターを作る上で必要不可欠のモンスターといえる。 EX技の性能は据え置きだが、攻撃力が倍近く上がった事で威力も跳ね上がった。 消費するEXゲージも8に上昇してしまい、連射には+7以上のEX増加埋めが必要になった。 スライム・マナ以外で条件を満たすのはほぼ不可能である。 コマンドサンプル(【フローズンブレス】型・コマンド潜在) # ★ ★★ ★★★ 1 ミス ミス アイスブレス 2 ★→★★ こうげき!orためる フローズンブレス 3 ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス 4 ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス 5 ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス 6 ★→★★ ★★→★★★ フローズンブレス 2リール目は【こうげき!】を【アイスブレス】にすることは出来ない。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/61.html
で、まだ誰も書いてないそうなので、大好きな金髪ヒーラーちゃんの話書きましたよー。 相手の男はご自由に。 先陣を飾るにふさわしくない、だいぶアレな話になっちゃって あなたの中のヒーラー像を著しく傷つける可能性がございますので ヒーラーは清純派だと心に決めている人、エロよりストーリー性を重視する人には心底おすすめできません。 か弱い女の子に見下されながら丁寧語で罵倒されたい羞恥系Mの人に捧げます。 今回も挿入とかないです。ついでにいうとシグルってもないです。 こんばんは。来ちゃいました。 って、さっきまでもずっと一緒にいたのに、 今更こんばんはなんて挨拶するのも変ですよね。あはっ。 中、入れてもらってもいいですか? それじゃあ、失礼します。 今日は大変でしたよね。お疲れ様でした。 ほんと、一時はどうなるかと思いましたよ。 でも、みんなでちゃんと無事に帰れて……本当に良かったですよね。 だから今夜は……ご褒美です。 ……どうしました? いいんですよ、もう始めちゃって。わかってますから。 自分でしてるところ、私に見てて欲しいんですよね? ふふ、そんなに血走らせた目をしちゃって。 遠慮しなくてもいいんですよ? 思う存分、いやらしい姿を私に晒しちゃってください。 ちゃあんと、全部ここでしっかり見ててあげますからね。 ほぉら、邪魔な服は脱いじゃって……ね? ああ、もー。 だからってそんなに焦らなくていいのに。 よっぽど見て欲しかったんですね。ほんとは。 ……あらら、もうそんなにしちゃって。 そりゃ、遠慮しなくてもいいとは言いましたよ? でもね、何かする前から勝手にそんながちがちにしちゃって。 恥ずかしくないんですか? ま、別にいいですけどね。 もっとよく見て欲しいですか? じゃあこっちに来てくださいよ。 わざわざ見てあげてるのに、私の方から来いだなんて図々しいにも程がありますよ。 ふふっ、いやらしいおちんちんですねー。 触られてもいないのにこんなにおっきくしちゃって。 …………いや、そんなに大きくもないかなあ? んー。失礼ですけど……なんていうか結構……お粗末、ですよね。 わ。今なんだか、びくん、ってなりましたよ? お粗末って言われて興奮しちゃったんですか? 年下の女の子におちんちんの大きさを馬鹿にされて、ですか? サイテーですね。 ほらまた。びくんって。気持ち悪いなぁ。 そのお粗末なおちんちんの先っちょから、汚らしいおつゆがいっぱい溢れてきちゃってるじゃないですか。 息までそんなに荒げちゃって。男の尊厳はないんですか? え? 触って欲しい? 冗談ですよね? なんで私がそんなことしてあげないといけないんですか? 自分でしてくださいよ。 約束は守ります。ここで見ててあげますから。 ……そうそう、最初から素直にしてればいいんですよ。 あなたなんて、そうやってハァハァいいながら自分で慰めてるのがお似合いなんですから。 気持ちいいですか? 気持ちいいですよねー。 女の子に見られてながら、自分の小汚いおちんちん一生懸命こすっちゃってるんですもんね。 本当は、いつも想像してたんでしょ? こうやって私にじっくり見られながら思う存分おちんちん扱いてみたいって。 それともあれですか? 私のこと、いつも頭の中で犯しちゃってたりしてたんですか? 私が組み敷かれて泣き叫んでるのを想像して興奮して、その粗末なものを扱いてたりしてたんですか? ……ふふふっ、からかってごめんなさい。 そんなのは違いますよね。 女の子を犯すなんてとんでもない……あなたは、自分が虐げられたいだけ。そうですよね? こうやって罵られれば罵られるほど興奮する、ただのド変態なマゾ野郎なんですもんね。 今日、あれだけ頑張って戦ったのだって、全部この瞬間のためなんですよね? そうすれば、あとで私からご褒美が貰えますもんね。 あーあ、他のみんなが知ったらどう思うのかなあ。 知ってます? 最近ギルドに入ったあの子。 あなたのことに憧れているんですよ。 でも、リーダーがこんなにド変態で、しかもこんなに小汚くて情けないおちんちんの持ち主だってことがバレたら。 あの子どころか、他のだーれも口聞いてくれなくなりますね。 イヤですか? それとも、それまでご褒美になっちゃいますか? 救いようがないですね。この変態。 ……もう、びっちょびっちょじゃないですか。 おちんちん扱くとき、部屋中響くような音でぐちょぐちょ言わせちゃって。 先走り液のにおいを撒き散らして。 なんでそんなに興奮してるのか意味わかんないんですけど…… あれれ、もう出ちゃいそうなんですか? おちんちん扱いてるの見られて、罵られて、それだけでイっちゃいそうなんですか? ちょっと早すぎません? 短小の上に早漏ですか? ま、お似合いですけどね……ぷぷっ。 ……え? 服を脱いで欲しい、ですか? そんなことを私がしてあげると本気で思ってるんですか? 調子に乗らないでくださいよ。 ……といいたいところですけど、まあいいでしょう。 年下の女にお願いしてる間にも必死になって汚らしいおちんちんを扱いてるその姿、 いくらなんでもみっともなさすぎるんですもん。哀れんじゃいます。 ……さ、これでいいですか。 ほおら、あなたが見たい見たいとおちんちんから涎をたらして みっともなく懇願したロリな体ですよ。 満足しました? こんな、発展途上でぺったんこな胸と、 毛も生え揃ってないようなすじまんこに欲情する男なんて……普通はいませんよね。 いたら男として、いや、人としてちょっとどうかなって思っちゃいます。 なのにあなたときたら……なんですかその目は。 理性のカケラすら見てとれません…… おちんちんだって、ますます硬くしちゃって。 生まれてきて恥かしくないんですか。 ご両親に申し訳ないと思わないんですか? いくらなんでも気持ち悪すぎすぎですよ。 って言っても、悦ぶだけなんですよね、あなたは。 無敵ですね、ある意味。 え、今度は腕をあげて欲しいんですか? ……ほら、これでいいですか。 もう……そんなに凝視して…… つるつるの腋なんて見て、なにか楽しいですか? わかんないなぁ、ド変態の腐れちんぽの考えることは。 もう我慢の限界ですか? イくのは勝手ですけど、そのまんま私の腋にその汚らしいおちんちんを向けたまま射精しないでくださいね。 あなたの汚らわしいザーメンで私の体が……… ………あ! 駄目だっていったのに、なにしてるんですか! あー、もー! どれだけ出せば気が済むんですか! まだドクンドクン出しちゃってるじゃないですか…… うわ、腋もお腹も……体中べったべた…… それにこのにおい…… くっさい……死んでください、このバカちんぽ。 はぁ……ここまで屑じゃしょうがないですね。もう言葉も出ないです。 責任とって早く綺麗にして下さい。 どうやるかなんてわかりきってるでしょ? あなたが汚したんですよ、全部舐め取って下さい。自分で。 ……で、躊躇しないですぐに舐められるんですね、自分のザーメンを。 信じられないです。 それでも人間ですか? まるで獣ですね。 なんていったら動物に失礼かもしれませんけど。 自分のザーメンを悦んで舐めとるなんて、世界中の生き物探してもあなたしかいないんですよ。 聞いてますか? この屑。 ……あはははっ、くすぐったい! 余計な部分を舐めなくていいです、自分の出した汚いザーメンを綺麗に舐め取ることだけに専念してください。 ほら、そこだけじゃないでしょ。 足の方まで垂れちゃってるじゃないですか。 そう……指の間まで全部ですよ。一本一本口に含んで丹念に……ね。 ついでに足の裏も……ほら。 どうせ舐めたいとも思ってたんでしょ? 靴とソックスをはいて一日中歩き回ったあとの足を。 あなたはそういう人ですもんね。 で、ちっちゃなおちんちんをそうやってまた目いっぱい硬くしちゃってるんですよね。 さっきだしたばっかりなのに。 あなた、種馬ですか? いや、そんなに雄々しいものじゃないですね。 あなたなんて、いいとこ豚です。 そう、種豚。 ぶひぶひいいながらちっちゃなおちんちんのついた腰をぴょこぴょこさせてるのがお似合いってトコですよ。 私の中にそのキモいおちんちん入れて、かきまわして、放出して、 その情けない遺伝子が入った汚らしい精子を着床させたいですか? ……させるわけないでしょ? 私、処女なんですよ。夢見る乙女なんです。 初体験は、格好よくて優しくて、心の通じ合った人と愛し合って……って心に決めてるんです。 それがよりによって、あなたみたいな種豚のおちんちんをなんで受け入れなきゃいけないんですか。 身の程を知ってください。 せめて、もう一回出したい? 好きにしてください……もういい加減に呆れました。 その代わり、さっさとしてくださいね。 そろそろ眠くなってきたので、部屋に帰って寝たいんです。 もっとも、あなたに限ってその心配はいらないんでしょうね。 どうせまたすぐにイっちゃうんでしょ? その短小早漏ちんぽ。 ほら、もっと踏んであげますよ。 精液と涎でべっとりの足で、あなたの顔を。 嬉しいでしょ? おちんちんがますます破裂しそうになってますもんね。 ……ま、最後だからちょっとだけサービスしてあげますよ。 横になってください。 ……手でなんてしてあげませんよ、お口でなんてもってのほかです。 でも、人並み外れたド変態の種豚野郎なあなたならもっと悦ぶんでしょうね、きっと。 大好きな足でしてあげます。 ほらほら、どうですか? そうやって下から見あげると、私のロリまんこ丸見えですよね。 その状態でおちんちん、足でグリグリされてますよ? あー、気持ち悪すぎです。 さっさとイってください、この種豚。 うるさいなあ、そんなに喘ぎ声だしちゃって。 他のみんなに、聞こえちゃいますよ? 本当は年下の女の子に言われるままなされるがままで、 足コキでイカされちゃうようなド変態だってバレちゃいますよ? ほおら、そう言われただけでますます硬くなった。 変態、へんたい、ヘンタイ、へんたい、変態!!! 変態! 変態!!! 変態!!!!! …………出しちゃいましたね、ぴゅっぴゅっ、って。 二回目なのにさっきより飛んだんじゃないですか? あーあ、自分の顔までザーメン飛ばしちゃって。傑作ですね。 似合ってますよ、その姿。 とっても素敵です。みんなを呼んできちゃいたいなぁ。 ……なんか、足の裏のがまた硬くなってきてるんですけど? いい加減、本気でウザいです。 あなたを悦ばせないようなお仕置きします。 前から試してみたかったんですよね。 おちんちんについてる玉、本気で潰したらどうなるのかって。 冗談じゃないですよ? ほら……こうやって思いっきり……えいっ! ……………… うわ……なんか、ぐちゃっていいましたね。 なんとも言えない感触が足の裏に…… そっか、こんな感じなんだ……本当に弱点だったんですね、男の人のここって。 ちょっと感激です……聞いてます? なんかそれどころじゃないみたいですけど…… 心配しないでくださいね、すぐに治してあげますよ。 私のお仕事、忘れちゃったんですか? 良かったですね、私で。 腕力や知力じゃどうにもならないこと、世の中には沢山ありますもんね。 起こしてあげますよ、奇跡ってものを。 ふふっ、やっすい奇跡ですよね。神様が怒るかな? こんなことに奇跡の力をつかっちゃったら。 ……本当に大丈夫ですか? なんか泡ふいちゃってますけど。 お喋りが長すぎましたか。 それじゃ、いきますね。 さあ、これで…………… …………………あれ? もう一回………… ………………………………あれれ? あ! そっか! 今日はお昼にもう起こしちゃってましたね、奇跡。 神様、ごめんなさい…… やっぱり奇跡なんて、そうそう起きるものじゃないんですよね…… 一日に4度も5度も起こせるもんじゃないんです。 奇跡は一日3度まで。うっかりしてました。 ……というわけでごめんなさい、今日は無理みたいです。 帰って寝ますね。 大丈夫。一晩休んだらまた起こせますから、奇跡。 そうしたらすぐに来て、治してあげますよ。 ……あー、完全に白目剥いちゃってますね……ちょっとだけやりすぎちゃったかなぁ…… ま、平気ですよね。うん、大丈夫、大丈夫! それじゃあ、おやすみなさいませ。 あなたに、神のご加護があらんことを。 (おしまい)
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/70.html
――我ながら、たるみすぎだ。 それが、女騎士ケイトが自分を客観的に見た感想だった。 治療士を生業とするルシェの青年ジェリコと結ばれて以来、自分は何をするにもジェリコの事を考えて、本来為すべきことに集中できていなかった。 竜を狩り、命を質に入れるハントマン稼業にあって、上の空状態は死を招きやすい。 生真面目で、そのような精神状態とは無縁と思われたケイトの気の抜け具合は客観的に見ても重症だったようで、ここ数日は「今の貴女を前線に置くわけにはいきません」と言い切ったジェリコが、ヤックと二人だけでハントマン稼業をこなしている。 共に屋敷の留守を任されたモモメノにもやたらと気を遣わせてしまっているようで、本来はお目付け役でもあるケイトがモモメノにあれこれと世話を焼かれる形となってしまっていた。 『ケイト、一緒に香茶でも飲んで落ち着こう……? 私、淹れるね……』 『モ、モモメノ様! そのような気遣いは……! 私が淹れますから、どうかお座りになってお待ち下さい!』 『でも……』 『モモメノ様にそんな事をさせる訳には参りません! え、えっと、葉は確かここに……』 『それ、スパイスの香草……』 『あぁっ!? こ、こちらでしたね。えっと、カップを……!』 『それはスープ皿だよ……』 『えぅあぇっ?? あ、あった、ティーカップ。すぐにお淹れしますね……!』 『カップにそのまま香茶の葉を入れちゃダメ……』 『あぅ……?』 『ケイト、いいから座って休んでて……』 『うぅぅぅぅぅぅ……! 申し訳ありません、申し訳ありません……!』 脳裏にフラッシュバックしたその時の光景に、頬が熱くなってくる。 仮にも一国の王女であるモモメノが危なっかしい手際で淹れてくれた香茶の方が、自分の淹れたものより美味だと感じたのは記憶に新しかった。 (護衛騎士でありお目付け役でもあるというのに何なのだ、この体たらくは。まさしく本末転倒ではないか! 全く以ってどうしたというのだケイト、いつまでもこのような調子ではモモメ――) 「何ボーっとしてんだコラぁっ!!」 「えっ?」 ――ガィン!! 思考に突如割り込んできた怒号と金属同士がかち合う鈍い音が響き、ケイトの意識は現実に迎合された。 気が付けば右手にジンとした痺れがはしっている。 右手から視線を持ち上げると、そこには呆れたように嘆息して、前髪から覗く片目でこちらを見やるヤックの姿。 ヤックは刃を潰した訓練用の短刀二本を両手に、しばらくをケイトを見やっていたが、ケイトがきょとんとしたまま様子が変わらない事にますます呆れ返り、ため息混じりに肩を落とした。 ケイトはケイトで何が起こったのかを理解できておらず、いよいよ本格的に混乱し始めたところで――背後からガラン、という大きな音が響く。 振り返ると、そこに落ちていたのは、これまた刃を潰した訓練用の刀剣。 それが自分のものだと気付いたケイトは、再び振り返ってヤックの姿を認め――ようやく自分が、早朝の日課である、ヤックとの模擬戦闘訓練の途中なのだと思い出した。 バツが悪そうに剣を拾うケイトに対し、ヤックはゴキゴキと首を鳴らしながら口を開く。 「お前よぉ、もう拠点戻っとけ。今のお前と訓練してたら逆に腕がなまっちまいそうだ」 つまらなそうに吐き捨てるヤックに、ケイトは顔を赤くして反論した。 「な、何だと貴様! 侮辱するつもり――」 「じゃーお前は今の自分が本調子だって胸張れんのかよ?」 ケイトに最後まで言わせることなく切り捨てたヤックの言葉に、彼女は黙り込んでしまう。 言い返したいが、今の自分は言い訳のしようもなく絶不調だ。返すべき言葉を探して口をパクパクと動かしていたケイトだったが、やがてシュンと肩を落としてしまう。 「いや、全面的にお前の言う通りだ。失言を詫びよう……」 「いーからよ、戻って朝メシの準備でも手伝ってこい。あ、俺の目玉焼きは半熟で胡椒多めな」 「承った、では先に失礼する」 剣を鞘に納めたケイトはおざなりに一礼し、気恥ずかしかったのか足早に立ち去った。 沈んだ背中が立ち去るのを見るともなしに見送りながら、しばらく短刀の型の反復訓練を繰り返していたヤックだったが、ケイトが角を曲がり、その姿が見えなくなったのを確認するなり―― 「はぁぁあああああ~~~~~~…………」 肺の空気を全て搾り出すかのように大きな溜息を吐き出し、 「ジェリコのバカ、骨抜きにしすぎだろ……」 自分が覗き見てしまった、ジェリコとケイトの濃密な情事を思い出し、僅かに顔を赤らめながら呟いた。 ◆ ◆ 「何をしているのだろうな、私は……」 朝食を終わらせたケイトは自分の寝台に腰かけ、深々と溜息をついた。 一人ごちたその言葉に答える者達は、誰一人として屋敷にいない。 ジェリコは溜まっていたクエスト完了の書類を整理しにオフィスまで出向き、ヤックも「適当にフロワロ散らしてくるわな」と、滋養強壮の薬剤を大量に持ち出してカザン周辺に出ていった。 モモメノはケイトのために何かを買ってくると言って出て行ってしまっている。 自分が仕えている国の城ほどではないが、それでも一団体では持て余しそうな広さの拠点には、ケイト一人だけ。 耳に痛いほどの静寂しか返ってくるものはなく、ケイトの独り言はむなしく霧散してしまったようだった。 ――ゆっくりと腰を上げ、立ち上がる。 歩を進めて、向かう先はジェリコの寝台。 隣に据えられたヤックのものとは比較にならないほど綺麗に扱われているようで、シーツも毛布も全ておろしたてのようだ。 ところどころ、僅かに残された皺をなぞるように指を滑らせ、ケイトは困ったように笑い、ここにはいない治療士に向けて呟いた。 「どうしてくれるんだ、ジェリコ。あの時お前が言った通り、私は兎のようになってしまったぞ」 浅ましい――そう思いながらも、その身体は自然と上掛けをめくり、ジェリコが使う寝台の中へと潜り込んでいた。 「お前の姿を見たり、声を聞いたりするだけで、あの時のことを思い出してしまうんだ」 ジェリコの香りが染み付いた枕に顔を埋めて、ケイトは自分の腹を撫で擦る。 体内に直接熱い湯を吹き付けられるように、ジェリコの精液を何度も受け入れたあの感覚が思い起こされ、ケイトは「はぁ……っ」と、溜息交じりに短く喘いだ。 同時に、身体を包み込むジェリコの香りが鼻腔をくすぐり、体内で何かが蕩け始めた。 ――まずい。 そう感じた時にはすでに遅く、両脚の付け根がジワリと湿り気を帯びる。 「あぁ……あの時も、こんな感覚で……っ! あいつが、容赦なく……抉って、きたんだ……ん、はぁ……っ!」 自然とズボンを下ろし、下着の中に手を差し入れる。 あの時のジェリコの猛りを思い起こしながら、潤い始めた入り口に指を這わせると、僅かに粘質を孕んだ水音が聞こえた。 ――あの時、ジェリコはそれこそ獣のように容赦なく自分を攻め立てた。そして自分もそれを求めた。 今、ジェリコが自分を見たらどう思うのだろうか、こんなに浅ましく身体の熱を持て余す自分を見たら……。 蔑むだろうか、見損なうだろうか、それとも、いつも通りに微笑んで受け入れ、慰めてくれるのだろうか。 次第に、自分の指でジェリコの猛りを模し、秘所に侵入させていた。 角度も強さも早さもバラバラに、自分を快楽に慣れさせることなく狂わせ続けた、苛烈な快感の拷問。 指を折り曲げ、柔らかな膣壁を撫でると、ジェリコが同様に反り返しで自分を抉った感覚がフラッシュバックする。 「ぁ、ジェリコ……! だめ、そんなに、強く……っはぁ、んっ!」 瞼の裏で、ジェリコが優しく微笑みながら、自分を攻め立てている。 その柔らかな笑みに反するかのように、自分の膣内を何度も行き来する肉の塊は火傷をしそうなほどに熱く、そして固く張り詰めて…… 「ただいま戻りました」 どこかでジェリコの声が聞こえた気がした。 末期だな――と、ケイトは自嘲した。ありもしない声を聞くほどに、彼を求めているというのか。 ジェリコが、今の姿を見たらどんな顔をするだろう――多分……、 「ケイトさん、こちらでしたか」 と言って部屋に入ってきて、自分の寝台で喘いでいる私を見て――呆けるように立ち尽くすのだろうな。 「――えーっと………」 そうそう、丁度こんな表情だ。 そして目のやり場に困るようにちょっと慌てて、でも少ししたら冷静になるんだろう。 「ケイトさん……?」 「………えっ?」 蕩けきった意識で淀む視界の中に、見慣れた顔があった。 あぁ、ついに幻視まで――そう思いかけて、ケイトの思考は、冷水をぶっかけられたかのように一瞬で覚醒した。 目の前にいるジェリコからは、確かな気配が――ぶっちゃけ、本物だった。 「私のベッドで何してるんです……?」 そう言ったジェリコは、何かに気付いたかのようにスンスンと鼻を鳴らした。 そして、柔らかな上掛けから僅かに香る「その匂い」に気付き……、 「あぁ、なるほど……」 などと言い、微妙に邪悪に微笑んだ。 ――ここで、ケイトの意識が凍結した。 「いけませんね、こんな無用心な空間で……」 いつも通りの口調で言いながら、ジェリコは玄関へ舞い戻り、その扉に鍵をかけた。 続いて、その足は就寝スペースの窓辺へ――気持ちの良い日差しを受け入れていた窓のカーテンを閉ざし、外から視線が入りうる全てのルートを遮断した。 カーテンを閉じたジェリコが、ケイトに振り返る。 カーテン越しに薄く差し込む日光を背にしたジェリコの微笑みは、よく見えない分、何やら恐ろしいものがあった。 凍り付いていたケイトの意識が、氷が解けだすようにじわじわと現実に戻ってくる。 「あ、あ、あの……っ! ジェリコ、これは、だな…………その……っ!」 「えぇ、私のせいでしょうとも。気付いて差し上げられなくて、申し訳ありませんでした」 ジェリコはにっこりと恐ろしい笑顔のまま、じわじわとケイトに迫る。 寝台の傍らにたどり着いたジェリコは、そのまま上掛けを勢いよく剥ぎ取った。 「あ……っ!」 悲鳴になりきらない声を上げた時にはすでに遅く、そこには上を着たまま、下半身はぐちゃぐちゃに濡れた下着一枚で、乱れて寝そべるケイトという、暴力的なまでに官能的な眺めが広がっていた。 「こんなにして、可哀想に……」 「じぇ、ジェリコ……!!」 上擦った声で非難の声を上げるケイトだったが、今のあられもない姿でいつもの迫力がこもる筈もない。 そんなケイトの様子さえ面白がるように微笑み、ジェリコはゆっくりと彼女に覆い被さっていった。 「ジェリコ、待っ……やっ、まだ昼にもなってないのに……!」 「身体の異常は即座に対応しないといけません。治療士としては勿論、男としてね」 最後の抵抗もむなしく、ケイトは完全に寝台へと押さえ込まれてしまった。 心底楽しそうなジェリコの表情を見て、ケイトは今日で何度か思った言葉を、再び思い出していた。 ――我ながら、たるみすぎだ。 その思考もどこか遠くの方で巡っているかのようで……。 ケイトの羞恥と諦念を煽るかのように、彼女が身に纏っていた残りの衣服が、ばっさばっさと宙に舞った。 「前の時は確か、私も理性がトンでましたからね、今日は丁寧にいきましょうか」 ――思えばこのジェリコという男、笑顔が一番恐いのではないのだろうか? にこにこと笑いながら性的な行動の方針をほざくジェリコに対し、ケイトは軽い戦慄を覚えた。 この治療士の青年は仲間を治癒術で癒すときも、魔物を毒の霧で滅すときも、一切この笑顔から表情を変えることがないのだ。 そしてジェリコは、その笑顔を崩すことなく、ケイトの抵抗を軽くいなしつつ器用にその衣服を全て剥ぎ取ってしまった。 「わ、私の意思は完全に無視か!」 「その姿で叫ばれても、あまり説得力がないのですが」 「そういう問題では――」 「はい、そこまで」 言うが早いが、彼女に最後まで言わせることなく、ジェリコはケイトの肉感的な唇に食らいついた。 先ほどの自慰で中途半端に身体の力が抜けたケイトは、完全に為されるがままだ。抵抗の意思を宿していた瞳も、少し口腔内を舐めまわし、吸い上げられただけで、潤んで色を変える。 頑なに歯を閉じ、何も受け入れない――そう決意していたケイトの口内は、ジェリコの熱烈な口付けによってわずか数秒で陥落し、彼の舌の侵入を許してしまっていた。 しまいには己の口を犯す舌に自ら絡みつき、愛撫を懇願し始めるケイト。 ケイトの舌が反応し始めた事に内心喜ぶジェリコは、それに応えるように彼女の口腔内の粘膜を吸い上げるかのように、じゅるじゅるとわざとらしい音を立ててみせる。 「は、ぁ……っ! じぇりこの、キス…すごく、やらしぃ……ん、ちゅ……っ」 軽犯罪に手を染めた幼子が味をしめ過ちを繰り返すように、ケイトもまたこの抗いがたい快楽の虜となり、ジェリコの舌により強く絡みつこうと、ぐいぐいと唇を押し付けた。 大人のキスも、舌を絡ませる程度しか類を知らぬケイトに、ジェリコは教え導くかのように唇を甘噛みしたり、舌で歯茎を撫でまわし吸い上げたりと奉仕する。 ――そして、 キスばかりに意識を向け、他への注意力が皆無になっていたケイトが気付くはずもなかったのだが…… 「ぁひぃっ!?」 ぐちゅり、という水音――自慰ですっかり濡れそぼり、受け入れる準備がすでに出来上がっていたケイトの膣の入り口に、ジェリコの中指が不意をついて突きこまれた。 思わず口を離し、仰け反るように白い喉をさらすケイトを見たジェリコは、面白そうに笑う。 「はは、不意打ちなんて卑怯ですよね。分かってるんですけど、ケイトさんを見てるとつい――」 ジェリコは聖人君子のような微笑で「つい虐めたくなるんです」と言い放ち、挿入した中指を無造作に折り曲げ、熱く蕩けた膣壁をがりっ、と引っ掻いた。 「あ、くぁぁ……っ!?」 白く明滅する視界にくらみながら、ケイトは目を見開き、口を開けて、体内に渦巻く快感のエネルギーを逃がそうとする。 だが、ジェリコはそんな抵抗をあざ笑うかのように、今度はさらに人差し指まで突き入れ、それを無造作に何度も何度も引き抜き、折り曲げ、また突き込み、傍若無人に暴れ回らせ始めた。 「ひぅっ、あひぃ……っ、ぁ、くぅ…い、くぅ……いくぅっ!!」 ――心の準備もできない内の不意打ち。 膣を容赦なく掻き回す二本の指に翻弄され、彼女は抵抗する意思を定める暇さえ与えられず、敗北の断末魔を上げるように、身体をぴんと張り詰め反らせたまま絶頂に押し上げられてしまった。 ケイトはピクピクと小刻みに肩を震わせ余韻に翻弄されながら、涙と涎を垂らしてジェリコに言葉を紡ぐ。 「じ、じぇりこ……わたし、だけ……」 「あれ? 何か言いました?」 ――ぐりゅっ、 「ひぐっ!?」 否――言葉としての形を成す前に、ジェリコの指が再び暴れ始めた。 指に絡みついた彼女の愛液を再び彼女になすり付けるように、執拗に、執拗に、柔らかな肉を撫で回し、掻き乱す。 猛々しく、しかし巧みに膣内の性感帯をひっかき回される度、二本の指を受け入れる秘裂からはぬちゅぬちゅといやらしい水音が響き、ケイトの肩は小刻みに弾み、震えた。 「あ、今きゅって締めつけてきましたね。ここが弱点ですか」 彼女の敏感な反応に気を良くしたジェリコは、指を鉤のように折り曲げたまま、膣から勢いよくずるりと引き抜いた。 見つけたばかりの敏感な部位を引っ掻かれ、それだけでケイトは軽く絶頂に達してしまう。 「ジェリ、コ…っ! よくも、やりたい…放題に、ぃ…!」 恨めしげに睨み付けたつもりなのだろうが、軽くイキ癖がついてしまい、ピクピクと肩が震えた今の状態では、その視線も蕩けてろくな迫力がこもらない。 だが、自分に向けられた視線の意図を完全に見透かしてなお、ジェリコは微笑みを止めることはなかった。 「終わったみたいに言わないでくださいよ。むしろ、これからが本番なんですから」 ジェリコは彼女の牝鹿のように美しい脚を無造作に掴み、ぐるりと身体を反転させた。 身体に上手く力が入らないケイトは、為されるがままにうつぶせになり、美しい曲線を描く尻をジェリコに向けて高く掲げるような体勢になってしまう。 ぼんやりとした意識の中で、彼女は自分の細腰ががっしりと掴まれる感触を認めた――そして、どろどろにほぐれきった秘裂に、熱く張り詰めたものが添えられた感触も。 「いきます、いいですね」 問いかけにも聞こえる、一方的な宣言。 ケイトの是非を聞く事もなく、ジェリコは力強く腰を突き進め―― 「あひぃ…っ!? き、てるぅ…きてるきてるぅ………!!!」 途中で進行を止めることも躊躇することもなく、ケイトの膣をごりごりと押し分けて愛液を纏いながら、彼女の中を圧倒的に満たし、埋め尽くした。 「~~~~~~~~っ!!」 朦朧としていたはずの視界で、不可視の電流がバチバチと弾ける。 大きすぎる快感のために濁りかけていた意識が、それを上回る異常快楽で強制的に叩き起こされたのだ。 彼女が受け止める快楽に比例するかのように次から次へと溢れる蜜が、ジェリコの巨根をくわえ込んだ秘裂の隙間から、ぷしゅっ、と気の抜けた音と共に噴き出した。 ケイトは以前のような苦痛を伴うことなく、自分の腹に納まった熱い塊から快感だけを受け取り、痙攣するようにビクビクと身を震わせて何度も快楽の高みへ上り詰めた。 ――だが、それだけで終わるはずもなく、 ジェリコはそのまま容赦も何もなく、巨大な男根をギリギリまで引き抜き――先ほど探り当てた弱点に向けて、勢いよく打ち込んだ。 否、打ち込んだ「だけ」ではない。 大きく張り出したものでこそぎ落とすように、何度も何度もそこをゴリゴリと攻め始めたのだ。 しかし単調にそこだけを攻めるのではなく、引き抜く過程、突き入れる途中においても、浮き出た血管などで彼女の性感帯を自ら作り上げるかのごとく、そこかしこを容赦なく抉り、擦っていく。 「だめ、ジェリコ…だめぇえええっ!!」 白目を剥き、首を激しく振り、苦痛じみた快感から逃げ出そうとするケイト。 しかし、ジェリコはその背中に密着するように覆い被さり、彼女の固くなった乳首を摘み、ますます攻めを苛烈にしていく。 「だめ? 何がだめなんです?」 「こわれるぅ……!! イキすぎてぇ、気持ち良すぎて、こわれ……ひぎぃっ!」 ぐい、とジェリコが身体を起こすと同時に、ケイトの二の腕が掴まれ、強引に引き上げられた。 背後から二の腕を引っ張り上げられ、仰け反るような体勢になったケイトは、自重でより深くジェリコの巨根をくわえ込むこととなってしまい、さらに狂おしく甘い悲鳴を上げた。 「あひっ、ひあぁぁ……っ、おくぅ、奥まで、犯されてるぅ…っ! っんぉおおお゛お゛お゛お……いいぃ、イイよぉっ、またイグぅ…!」 小さな絶頂ではほとんど平常時に近いような快楽の嵐の中で、ケイトは舌を突き出しながら喘ぎつづけ、豊かな乳房を弾ませ続ける。 「イッた、イッたのにぃ…っ! イッたのにイクの! まだイクぅ……あ、あぁああ゛あ゛あぁっ、イクの終わらないぃぃいいいいっ!」 「ケイトさん、出しますよ…ケイトさんの中に……!」 「だして、じぇりこの…っ! しろいの、ビュビュって! いっぱい、しゃせー、してぇぇぇ!」 美しい若葉色の髪も乱し、快楽に溺れるケイトに向けて、堰を突き壊したジェリコが思う存分欲望を吐き出し始めた。 熱くたぎった粘液がどくどくと脈打ちながら、彼女の子宮に注がれ、すぐに溢れ返って膣に充満し始める。 だが、それが外に漏れ出すことはない――隙間なくびっしりと膣を埋め尽くすジェリコの巨根が栓となり、逆流を阻んでいるのだ。 「でてるぅ、あかちゃんのへやに、しろいせーえきがドバドバ出てる……じぇりこに、孕まされてるよぉ……」 体内に熱いものが吹き付けられる、途方もない快感――すでに下りられなくなったケイトは、その極上の快楽に溺れ、心底幸せそうなイキ顔を晒して、くずれるようにうな垂れ失神した。 ――もちろん、ジェリコの欲望がたった一度の吐精で治まるはずもなく、 ケイトはそのまま体位を入れ替えられ、正上位で陰核をぐりぐりと潰されながら狂いそうになるまで犯されたり、その豊かすぎる乳房までもを犯され射精でその清麗な顔をジェリコの精で白く汚されたり……。 しまいには、自分の愛液が纏わりついたジェリコの巨根への口淫奉仕まで教えられ、後始末をさせられたりと――、 彼の果て無き欲望に翻弄されつつも、その全てを享受し、むせ返りそうな愛欲にまみれ、どこまでもどこまでも上り詰めていった。 ――ちなみに、互いの欲望を存分にぶつけ合い満足した二人が我に返ったのは、陽が朱くなって西に沈みかけた時刻だった。 ヤックが(ローグの技能を無駄遣いして)玄関のドアを開錠し、モモメノと共に顔を赤くしつつも覗いていた、という事も蛇足である。 (いろいろオワタ)
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/66.html
話はニューゲームを選んだ後のプロローグ直後から… 【カザン入り口(南)】 (カザンに着いたか…) ハントマンをするにはカザンを拠点にしたほうがいい、と思い来たものの、流石に人が多いな (ギルドオフィスに行く前に、少しうろついてみるか) 様々な店舗が並ぶ広場の中央、馬の像が目を引き近付いてみる (名は…レムス、か) 「うわっと」 不意に衝撃を受け、辺りを見回すと長い黒髪の少女が転んでいた 「いたた」 「大丈夫か?」 少女を助け起こす 「うん、だいじょぶ×2、あ、ごめんなさい」 「そうか、気を付けろ」 少女の頭を撫でつつ言い、ギルドオフィスに向かう (ギルドオフィスはここか、向こうは城か) オフィスの中も、結構賑わっていた、一人管を巻いている者が目立つが。 カウンターの方に行くと、丁度開いたのか待つことなく取り合ってくれた 「いらっしゃいませ、ギルドを登録するのですね、じゃあギルド名とメンバーをこちらに、 あ、ギルドメンバーには最大16人迄しか登録出来ませんから、そこには気を付けて下さい」 登録用紙を受け取り、書き、渡す 「ギルド名:クアール、ギルドメンバーは貴男一人ですか?名前は、タガネ(鏨)様ですね、他のメンバーは募集中…はい、登録完了です」 「ああ、感謝する」 (さて、登録も済んだ事だ、後は飯と宿だな) ギルドオフィスを後にする途中 「さあ、付きましたよガミ君」 「スゥさん、また呼び方…」 「クスッ、ガミー」 「クゥさんまで」 そんな青年をなんとなく不憫に思いながら (路銀が残り少なかったな、さてどうするか) 《一日目…1525時》 【街の外】 …しかし、軽率だった、先に宿を取っておくべきだったな… 旅支度を整えた後、宿を取りに行ったら、金が足りなかった… その時居合わせた者が貸してくれるとは言ったが、次にいつ会えるか判らない者に借りる訳には… 手っ取り早く稼ぐには、素材を集めたほうがいいな、二束三文でも日が暮れる迄には稼げるだろう 買ったものを今使う訳にも行かない、傷はマスクナッツの木の実をなんとかして… 問題は獲物が出てくるかどうかだな… 「森に入ってみるか…」 少々危険かもしれないが、今は急ぎだ、数が出て来てくれたほうがいい… が、森に入った途端手荒な歓迎を受ける、 「っ、ナッツボール…」 辛うじて躱し飛んできた方を視ると、マスクナッツが4体 丁度いい、その木の実、戴こうか 出費を減らす為に薬代は掛けられない、集中し、鞘に手を掛け前傾になる、 一気に踏み込み、薙払う、先ずは、1体…その隙を突いて2体同時に飛び掛かってきた、飛び退き避けるが…額にナッツボールが直撃した、 「…器用な」 構え直し、もう一度踏み込む、今度は一体が飛び掛かってきた、そいつを柄打ちし奥の2体に斬り掛かる、 左の方は仕留めたが、右の方は斬れずに吹っ飛んだ、その先に先程柄打ちした方がいたらしく、巻き込み共に気絶していた。 「…手間取ったな」 マスクナッツ達から木の実を採り、2体を弔っていると後ろから声が聞こえた。 「面白え事やってんじゃん、俺とも遊んでくんない?」 …何者だ?隠れていたのか知らんが、振り向かずに答える 「どこでだ?ここでも構わんが」 「ここじゃ俺に有利過ぎるだろ、森の外でやろうぜ、ま、その前にこいつをやるよ」 肩越しに受け取る、パロの実か…もう一つ、速い…今度は振り向きつつ取る、またパロの実か……… 俺は両手にパロの実を持つと言う妙な格好をさせられる 「小賢しいな、まぁ、使わせてもらう」 …一つだけ、な。 《1600時》 【草原】 「さ、どっからでもかかってきな」 門を開いて挑発…か 「なら、遠慮無く行かせてもらう」 先程の居合は見ているだろう、小手調べにアレをやるか…──『戯れ~』か 先手断ちの要領で一気に加速し拳ではたき落とす 受け身は取れるか、と思えば急に文句を言い出した 「んだよ、マスクナッツん時より速えじゃね-か」 「知るか、見誤ったのはお前だ」 「テメエ、コロス」 …?奴の気配が急に稀薄になった… 「そんじゃあ、これならどうよ」 「ほう…流石だな」 神経を研ぎ澄まし、奴の出方を窺うが、思ったより早く奇襲を受け、対応が遅れた 「取った!」 「くっ」 躱せなかった、連撃が来たらまずいな しかも笑い声が絶えず聞こえて来る…喧しい …だが、繰り返される攻撃も段々いなせなくなってきた 「これで…」 っ…ダガー! 「仕上げだ!」 ダガーに気を取られ足下に居ることに気付かなかった、 「チィ、浅いか」 だが深手では…ない、ならばその頭に… ……轟 刀を振り下ろすが、紙一重で躱される、振り抜いた刀が弾け飛んだ。 …チッ、刀が… 奴は姿を現し、喋り始めた、何のつもりだ… 「あんた、影縛りって知ってるか?」 「影縛り…?」 「ある呪を掛けた刄を影に刺すとな…」 奴の左手が上がると、足下に少々耳障りな音と共に、脚に何か絡まる 「なっ足が!…ワイヤーだと?」 「影縛りなんて嘘に決まってんだろ」 言い、足元に跳んできた、低い打点から突きを繰り出して来る…動けないが見えるのなら… その腕を取り肩打で弾き飛ばす、至近距離に居られるのは身動きが取れない状態では危ない…か 「さぁ、ショウタイムだ」 何!?くっ…離したのは失敗だったか… ワイヤーが地面を掘り起こし、ダガーが渦を巻きながら巻き取られる、素手では為す術がない… 「ぐああぁぁぁ」 …笑い声が遠くに聞こえる、またか… 膝が崩れ落ち、突っ伏した 背中に何かが数本刺さった感覚もあるが、確認の仕様がない… 足音が聞こえる… 「おい、なぁ、まだやれんだろ?」 頭を数回小突かれ、意識がはっきりして来た、それを掴む…刀…? 態態持って来たのか…だが都合がいい、自分で取りに行くのは諦めていた処だ ……全身の負傷はよく判らないが、これで勝機が見えた、 脚は…動く…起きられるか…?よし…立てる…時間がない…次に倒れたら、殺られるな… 距離は…届く…それなら… 先手…雷磊…吹雪…明王・連打… また笑っている…本当に何なんだこいつは… 「ッハハハハハハ…いいねぇ、サイコーだよ、あんた…もっとだ…もっと愉しもうぜぇ!」 …鎧通し……まだ…意識があるか? 「痛ってえな、まだまだこれからだぜ、っ…くそ体が動かねえ… まだやれんだろ、っつ-かやらせろ!なんで俺の方が先に動けなくなってんだよ!」 「五月蝿い」 鞘で思い切り顎先をはたく 「がっ…くそが…憶えて…ろよ」 ようやく…片付いたか、こいつは…どうするか、それよりも… もう一つのパロの実を使い回復する 日も暮れた、この傷では戦う事も侭ならない…金が…よし、こいつに払わせよう 「連れて行くか…仕方がない」 小僧を担ぎ上げ、「殺意」を放出する、襲われる事は減るかもしれないが、体力が保つのか?…行くしかないな… 《1830》 【カザン入口】 なんとか…着いたな、医者は…どこ……だ………… ……『おい、誰か倒れてるぞ、手ぇ貸してくれ』 【タガネ編・続】
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/83.html
##ネタバレ(ほとんどオーラスまで)注意!## 以下、指標を簡単に。 すごく:複数プレイ・着エロ わりと:SM やや:百合・陵辱・サブタイ関係ないな Chapter3 [信念 Faith] あの戦いのことは、できれば多くは語りたくない。そも、語れることもほと んどない。竜としての能力をほぼ限界まで解放した俺は、自分があそこで何を したのか、まるで覚えていないのだ。ヴァイスとシュヴァルツにリンクして戦 闘記録を読むことは可能だが、とてもその気にはなれなかった。 俺が言えることは、ただひとつだけ。勝ったのは、俺たちだ。 そして俺は今、H国の政府が経営する病院――の近くの安宿で缶詰になって いる。「敵」の攻撃がカガリに集中した結果、彼女は大きな怪我を負って、今 は病院の集中治療室にいる。辛うじて一命はとりとめたとはいえ、元来彼女を 守るのが俺の最大の仕事のはずだ。戦闘のさなかに理性を吹っ飛ばした俺には、 その基礎の基礎を保つことすらできなかった。 俺は言葉にできない自己嫌悪を噛みしめながら、かといって何ができるわけ でもなく、ぼんやりとテレビを見ていた。虚ろな笑い声が響く、深夜のバラエ ティ番組。きわどい水着を着た若い娘が、小麦粉の中に埋められた飴玉を口で 拾っている。 発作的にテレビを殴りつけようとして、辛うじて堪えた。これ以上備品を壊 したら、いくら「政府が秘密裏に支援するエージェント」だからといっても、 宿を追い出されかねない。俺は深呼吸しながら、右の拳を左手でねじ開け、チ ャンネルを変えてみる。 歌番組。 スポーツニュース。 グルメと旅。 前世紀に作られた映画。 子供向けアニメーション。 どこを見ても戦争の気配はないし、そもそも人類が陥っている危急存亡を感 じさせる画面すらない。 ――もしかしたら、本当は世界の大部分はこんなふうに平和で、俺たちだけ がごくごく閉ざされた世界で決死の戦争をしているのかもしれない。そうでな いという保障が、どこにある? 俺は脳裏によぎった思いに慄然として、叩きつけるようにテレビを消した。 馬鹿げている。世界の真実は極限状態ともいえる戦争であって、作り物はこっ ちだ。こっちの、はずだ。 俺は安っぽいベッドにどさりと腰を下ろすと、両手を膝につき、悲惨と陰惨 を詰め合わせられるだけ詰め合わせたかのような日々を思い出そうとする。幼 い子供が巨大な竜に向かって石を投げ、両足を失った兵士が自分が無くしたの は膝から下だということを聞いて安堵の表情を浮かべる、この世の地獄のこと を思い出そうとする。だがその記憶は、再放送が繰り返されすぎたメロドラマ のようで、どうしてもリアリティを伴わなかった。 ゆっくりと、上体をベッドに沈める。ベッドはギシリと嫌な音を立てたが、 こんなに柔らかで暖かな空間に横になるのは、もしかすると初めてかもしれな い。そしてこれが、この国の日常であり、この国の平穏なのだ。それを、文字 通り命を賭けて、ギリギリのところで守っている連中のことを、本当に俺は否 定できるのだろうか? ドアをノックする音がした。俺は起き上がると通路に対して遮蔽が取れる場 所に立って、枕元に置いてあったリモコンのような機械でドアロックを解除す る。ドアの鍵なんてドアまで歩いていって開け閉めすればいいじゃないかと思 ったものだが、使ってみると悪いものではない。本来の用途からは離れている 気もするが。 扉を開けて入ってきたのは、ヴァイスとシュヴァルツだった。二人とも野戦 服を脱いで、ドレスシャツにスカート、ふんわりとした大きめの帽子と、比較 的カジュアルな格好をしている。街の様子を偵察すると言っていたから、現地 に最も溶け込める服装に着替えたというところだろう。普段とは逆に、ヴァイ スが黒系、シュヴァルツが白系でまとめているせいで、脳が煮えそうになる。 「こんばんは、シンラ……。その、報告に」 「歯切れが悪いな。まあ、入れよ。入れって堂々と言えるような部屋でもない が、そこはお互い我慢しよう」 「はい。失礼します」 二人はどこかもじもじとしながら部屋に入ってきた。この宿は素晴らしくあ りていにいうと、ラブホテルというやつだ。俺の部屋はそのなかでも「特殊な 趣味を持った紳士淑女用」らしく、これはどうなのかなと思うような物体が並 んでいる。 「で、カガリの容態は?」 「安定しています。このぶんならば3日後には完全に回復する見込みです。正 確な時間は不明ですが」 「中央はアクセス拒否か」 「はい。Center of Military Intelligenceは昨日から私たちのアクセスを拒 否しています。最低限の計測処理およびローカルでの同期処理は可能ですが、 CMIのサポートが必要な機能は事実上死んでいます」 「予想の範囲だ。安心しろ、それで俺たちの戦闘力が決定的に低下するわけじ ゃない」 「はい。ただ、その」 「何だよ」 「あの……」 「不安なのは分かるが、消耗戦をしなければいける。自信を持て、ここまで深 くH国に浸透できたのは俺たちが初めてなんだ。CMIとのリンクが切れている のも、切れているからこそヘイズに感知されずに済んでるってことを忘れるな。 このまま一気にヘイズを叩く。奴らが対策を講じる前に、だ。 ヘイズを叩いてしまえば、この国に他の竜が攻撃を仕掛けるまでの時間的猶 予ができる。この国には、地力はあるんだ。エメルならばこれまでの行きがか りなど完璧に無視して、この国を橋頭堡にして攻勢をかけるだろう。最終的に この国が受ける損害は最小で済ませられる」 「ええと……はい、シンラの計画は杜撰ですが、現状ではそれ以外にこの国の 決定的な崩壊を食いとどめる手段はないと思います」 「杜撰ときたか」 「すみません」 「見通しが甘いのは認めるが、大局として間違っちゃいないつもりなんだが」 「ええ、その、ええと、そうではなくて」 「おいおい、はっきりしてくれよ。さっきから随分らしくないぞ」 「あの……。CMIへのアクセス遮断によって私たちが失ったのは、量子コンピ ューティング能力だけではないんです」 「わかってる。対精神汚染防御だろ」 「はい」 「不安定なのは自分でも認めるが、まだまだなんとかなる範囲だ。急いだほう がいいのは間違いないが」 「そこは、信用しています。でも、あの、ええと……」 「じゃあ何だよ」 「……私たちも、精神汚染防御の閾値に限界が、きているんです……」 「はあ?」 沈黙が落ちた。ヴァイスはもじもじし続け、シュヴァルツは顔を真っ赤にし ている。 「すまん、物凄く察しが悪いのが自分でもわかってアレなんだが、それに、な んだ、お前らに何かとんでもないことを言わせようとしているような予感もあ るんだが、それはそうとして、俺にも分かるように説明してくれ」 ヴァイスの耳がパタパタとはためく。興奮したとき独特のしぐさだ。 「ええと、ですね。わたしたちには、その、猫の遺伝子が導入されているんで す。それで、聴覚や暗視能力、運動能力が飛躍的に向上していますが、あの、 CMIの援護がないと、その、猫の――うう、本能的な生理サイクルの影響も受 けてしまう……です」 「分かった。よく分かった。クソ、なんてこった」 「そそそそれで、私は、その、一応いろいろ経験もあるので、なんとか自分で 処理しようと思ってたんですけど、でもその、現地民間人を拉致とかあり得な いですし、かといって帽子を被ったまま和姦とか考えられませんし、それにい ま妊娠してしまうわけには」 「処理ってお前」 「で、で、問題がもういっこあって。あの、わたしは、いいんです! その、 最悪、なんか道具とかこの宿舎で見つけちゃったから、その、あの、もう我慢 できなくって、さっきちょっとお風呂で、その、少し解消とか、その」 「解消ってお前」 「シュヴァルツなんです。困っちゃったんです。彼女、経験がないんです。サ カっちゃう時期にCMIの援護がないのも初めてで、何から何まで全部初めてな んです。それで、どうしていいか分からなくて、でも本人に聞いたら、やっぱ り最初は男の人がいいって言い張って」 「……どういう用語集を買ってくれば、こういうときの対応が可能なんだ」 「『女性の求めをエロカッコ良く押しとどめろ!』ですかね」 「何だそれ」 「錯乱しました」 「医者に鎮静剤とかを処方してもらうのでは対処できんのか」 「この状態は1週間から1ヶ月くらい続きます。その間ずっと鎮静剤の投与とい うのは、無理です。電撃的な作戦遂行が必要な時期には、特に」 「で、何か、性交渉が行われれば、その時期は終わる、と」 「はい。その、一発ヤれば、おさまります」 「ストレートすぎる表現をどうもありがとう」 「たたたたた隊長が説明しろって言ったんですからね!」 「そこまでぶっちゃけろとは言ってねえよ。何だよこの全自動羞恥プレイは。 それよりシュヴァルツ。さっきからずっと黙ってるが、お前の本心はどうなん だよ。最長で1ヶ月程度なら、潜伏を続けるのも手だぞ。カガリだって少しは 休養させないといけない」 「……それは、ダメ、です。この作戦は、1分1秒でも、時間がかかるごとに、 幾何級数的に成功率が、低下、します」 「そういう問題じゃねえだろ。お前はこんなことでいいのかって話だ」 「あ、ああ、あの、ふつつかものですが、よろしく、お願いします……」 「変な辞書にアクセスしてるんじゃねえよ」 「うう……。で、でも、うう。 あの、カガリさんのことは、信頼してますし、大好きです。私たちが、こう やって戦える、のは、カガリさんがいてこそ、です。でも、ずっと――ずっと、 うらやましい、うらやましかったんです。シンラを独占、できるのが、とって も、うらやましいんです。 わたしは、何にも、知らずに、ここまできちゃいました。男の人とは、キス も、したこと、ないんです。でも、それは、シンラ、あなたを、あなたを最初 に見て、しまったからなんです。 お願いです。今夜限りで、もう、こんなことは、言いません。こんな我侭も、 こんな無茶も、言いません。お願いです。助けて。助けてください……つらい んです……苦しいんです……ずっと、ずっと……こんなことって……」 俺は盛大にため息をついた。 「いいか。俺が精神的に不安定なのはお前らが一番よく分かってるはずだ。今 だって、俺はかなり理性が軋んでる。お前らにしてみれば、それこそ望むとこ ろなのかもしれんが。 だがな、俺自身、突っ走り始めたらどこまで突っ走るのか、想像できない。 シュヴァルツ、お前が特に問題だ。何の経験もない小娘が相手にするには、下 から何番目かに悪い相手だ。それでも、なのか?」 彼女たちは微妙に怯えの表情を浮かべたが、それでも、揃ってこくりと頷い た。なんて――なんて馬鹿げた話だ。 「いいだろう。見たところ、それしか選択肢もなさそうだしな。まったく。カ ガリにバレたら殺されるぞ、俺は」 「す、すみません……」 「気にするな。あいつには俺からちゃんと説明する。あいつだって、任務と私 情を切り分けるくらいのことはするさ。それより、一線を越える前に、一つだ け聞いておきたいことがある」 「ななななんでしょうか。あのその私は経験があるといっても、片手で数えら れるくらいの、ノーマルな相手しか知りませんし、えええええSMとかアナル とかの経験はまだ」 「何を一人で突っ走ってんだよ」 「あれ。そこじゃないんですか」 「落ち着け。俺が聞いておきたいのは、お前らの名前だ」 「……え」 「ヴァイスとシュヴァルツはコードネームだろ。名前が『シロ』に『クロ』っ て、犬や猫じゃあるまいし。俺は、チームメイトを犯すんじゃなくて、俺を好 きになってくれた女と寝たい。お前らはどうだ」 「気持ちはありがたいのですが、本名の開示は軍規で固く禁じられて」 「何を今更」 「でででででも」 「……私は、グレイスです」 「シュヴァルツ!」 「シンラの、言うとおりよ、ヴィオレッタ」 「ふむ、ってことはヴァイスの本名がヴィオレッタか」 「わたし、たちは、双子の姉妹、でした。わたしが、ちょっとだけ、姉です」 「シュヴァルツ……」 「オーケー。じゃあ、はじめよう。グレイス、ヴィオレッタ」 おかしなこともあるものだ。俺の理性は、全力で状況を否定していた。だが ここまできて引き返すことなど、できるものか。 「さて、と。折角なんだから、忘れられない夜にしてやるよ」 俺はそう宣言すると、すばやくシュヴァルツ=グレイスの腕を取って逆手に 極める。そうして彼女をずるずると不思議な形をした椅子へと引っ張り、その 上に担ぎ上げた。俺もこの道の達人というわけではないが、さすがにこれの使 い方は見れば分かる。 おどおどしているグレイスの両手をベルトで肘掛けに固定し、両足をなにや ら特別なパーツにこれまたベルトで固定する。パーツの間隔を広げてやると、 彼女は自然とM字型に足を開く格好になった。もともと真っ赤だった顔がさら に朱に染まり、必死で膝を閉じようともがく。しばらくはそうさせておくとし よう。まずは、おいたをした部下へのお仕置きからだ。 「さて、ヴァイス君」 「は、はい」 「君は軍規に詳しいな」 「は、は、はい」 「俺の記憶が正しければ、任務中には自慰行為を含む一切の性的行為が禁止さ れていたと思うんだが」 「は……は、はい……あの……でも」 「でも? 偉くなりましたな、オペレーター・ヴァイスどの! 貴君は上官に 口答えしようと言うのか」 「い、い、いいえ」 「何だその返事は。口からクソを垂れる前と後には」 「さ、サー、ノー、サー!」 「聞こえんな」 「サー・ノー・サー!」 「白い淫乱娘さん、君はここに来る前に自慰行為を行ったと聞きましたが?」 「そ、その……」 「返事は」 「サー……イエス・サー……」 「聞こえんな」 「サー・イエス・サー!」 「重大な軍規違反だ。処罰が必要だと思わんかね」 「……サー……イエス・サー」 「よろしい。ではそこで豚のようにもがいているグレイスお姉さまと共有回路 をオープンしろ。防壁一杯までシンクロさせるんだ」 「そ、それは」 「急げ、急げ、この愚図が! それとも努力してこのザマか! 竜を殺す前に 戦争が終わっちまうぞ!」 「さ、サー・イエス・サー。共有回路オープン。シンクロシティを48%に上昇 させます。臨界まで12秒」 ヴァイス=ヴィオレッタの額にうっすらと汗が滲む。彼女はいま、自分自身 の感覚と同時に、心臓をバクバクさせながら椅子に拘束されているグレイスと 感覚を共有している。共鳴率48%はほぼ限界で、これを越えると自我崩壊の危 険性がある。統計で言うと、52%を越えたら確実にアウトだ。相手の感覚のほ うをより強く感じ取るなんて状況に、人間の精神はそう長くは耐えられない。 ま、本当は彼女らは49.8%までシンクロできるはずなんだが、そこは言わない ことにしよう。そんな非常事態専用の回線までオープンさせる必要はない。 ちなみに完全に余談だが、男女でシンクロしたままでセックスすると、それ はもう凄いことになるらしい。興味本位で試した奴は何人かいるが、俺たちの 間で一番有名な談話は「ナメクジの交尾に参加してる気分だった(タケハヤさ ん・職業:人類戦士)」であるあたりから、その惨状は推して知るべし。 「シンクロシティ47.6%。維持します」 「よろしい。さて貴腐人さま、貴女はどの道具をお使いになられたのですか?」 俺は部屋の戸棚に飾ってあった様々なグッズを床にぶちまける。言っておい てなんだが、俺にも使用法がさっぱり分からないものも多い。なんともはや。 ま、俺に分からなくて、こいつらに分かるってことはあり得ないだろう。あり 得ないことを祈る。 幸い、ヴィオレッタは躊躇いながら、床にしゃがみこむと、小さなプラスチ ックの器具を手に取った。ありふれたローターだ。助かった。 「俺はお嬢様のようなインテリじゃありませんので、それをどうやって使って いいのかわかりかねますね。実演してたいだけますか、ヴィオレッタお嬢様」 彼女はおどおどとしながら、小さな器具のスイッチをオンにした。羽虫が飛 ぶような音がする。彼女は風呂で自慰に至ったというが、こんな派手な音がす るものを使ったら同室のグレイスだって気が気じゃなかったろうに。未経験と いっても状況を推測する能力がないわけじゃないんだし、聴覚だって鋭敏なん だから、どんなにヴィオレッタが声を押し殺していたとしても……。 ちょっとの間、彼女は動悸を抑えるように左手で心臓の上に手を添えていた が、意を決したようにスカートをめくり上げ、ショーツの上からローターを秘 所へと押し当てた。途端に、椅子に縛り上げられたグレイスがひっと短い悲鳴 をあげる。 ほほう。想像した以上に面白いな、これ。 低い唸り音をたてる器具を、ヴィオレッタはゆっくりと秘所に這わせる。グ レイスは自分に襲い掛かる初めての感覚に、必死で首を振りながらよくわから ないうめき声をあげた。構わず、ヴィオレッタは自分の秘所をローターでまさ ぐり続ける。 「ヴィオレッタ、ああ、ヴィオレッタ、お願い、やめ、ああ、だめ、だめ」 グレイスは涙声になって哀願する。何を言ってるんだか。ここで止められた ら困るくせに。 俺はローターを2個手に取ると、グレイスの背後に回った。彼女が着ている ドレスシャツの前ボタンを、時間をかけて外していく。上気しつつある白い肌 と、ストラップレスのブラジャーがあらわになった。ほのかに汗の匂いと―― メスの匂いが漂い始めている。 ブラジャーのホックを外し、するりと抜き去る。綺麗に発達したバストが外 気に触れた。乳首は既に固いしこりのようになって、天を向いている。俺は背 後から乳首をつまみ上げると、やわやわと胸全体を揉みしだいた。新たな刺激 に、二人が同時にうめき声をあげる。そこそこの男性経験があるヴィオレッタ にとってこれは快楽の前兆だが、何もかもが初体験のグレイスには苦悶の体験 なのだ。それが二人に同時に降りかかっている。 適当なところで乳房への責めを終えると、俺は手元に持ってきていたロータ ーのスイッチを入れた。微細な振動を続けるそれを、ヴィオレッタの乳首にひ とつずつあてがう。ここまで唇を噛んでなるべく声を抑えてきた彼女も、これ にはたまらなかった。「あうっ」と一声叫ぶと、細いおとがいを宙へと突き上 げる。グレイスはもう声も出ないようで、酸素を求めて口をパクパクさせた。 活きの良い魚のように身体を痙攣させ始めたヴィオレッタを、背中からしっ かりと抱きしめる。彼女は俺のほうを振り返ろうとした。潤んだ瞳が俺を見る。 俺は軽く笑うと、彼女の唇に自分の唇を重ね、荒々しく舌を差し込んだ。貪る ように、彼女も自分の舌を俺の舌に絡めてくる。 ヴィオレッタはそのまま絶頂を極めようとして強くローターを自分の秘所に 押し当てたが、こんなところで勝手にイってもらっては困る。俺は彼女から唇 を離すと、ローターについていたクリップをつまみ、これ以上はないほどツン と突き立った乳首をクリッピングする。 「痛いっ! いた、痛い、です、隊長っ、あ、だめ、痛いっ!」 「いた、いたい、ああ、あああああ、ヴィオレッタ、痛い、シンラ、ダメ、ダ メ、痛い、ああ」 突然の激痛に、二人がまとめて悲鳴をあげた。俺は構わず、二つのローター がヴィオレッタの乳首にあたるように調整する。激痛と快楽が混濁し、二人の 女は悲鳴と嬌声をあげ続けた。 「まだまだオードブルだぜ。もうギブアップか」 笑いながらヴィオレッタの耳元で囁くと、椅子に縛られたグレイスがガクガ クと首を横に振った。「シンラ、ああ、シンラ、もっと、もっと、ああ、怖い、 なんだか、凄い、凄い、もっとして、ください」。 「お姉さんはずいぶんマゾッ気があるな。妹はどうだ」 ヴィオレッタは完全に涙目になって、荒い息をつきながら首を横に振った。 自分を慰めていた右手は、力なく投げ出されている。ローターだけがむなしく 地面で振動していた。 「痛いのはイヤか。どれどれ、本当かね」 俺はニヤニヤ笑いながらヴィオレッタのスカートを大きくたくしあげ、ショ ーツの内側に手を入れる。ショーツはもうぐっしょりと濡れていて、彼女の女 性自身はドロドロになっていた。俺はその裂け目にそって、やんわりと指を這 わせる。二人は同時に全身を引きつらせた。俺は手をショーツから引き抜くと、 ヴィオレッタの鼻先に愛液塗れになった指先を突きつけた。 「こんなにメス臭い匂いをさせてるくせに、イヤだとは恐れいる」 ヴィオレッタの顔が真っ赤になる。俺は体内の竜をほんのわずかに呼び覚ま すと、指先を鋭利な鍵爪に変え、ヴィオレッタのショーツを引き裂くと、素早 く鍵爪を元に戻す。うむ、変身技術がこんな使われ方をしていると知ったら、 開発者は三日三晩涙で枕を濡らすに違いない。 俺はヴィオレッタの両足を抱え、赤ん坊におしっこをさせるような姿勢で抱 き上げた。自然と彼女の秘所が曝け出される。痛みと快楽と羞恥が入り混じっ て、彼女は我を失っていた。俺はその姿勢のまま、椅子に拘束されたグレイス の近くまで彼女を運んでいく。 「グレイス、見ろ。これが男を何人も銜え込んできた妹のアソコだ。お前のと は全然違うだろう? 安心しろ、お前のも朝にはこうなってる」 グレイスはおどおどとしていたが、妹の淫らな花園に視線が釘付けになって いた。ヴィオレッタの顔は赤らむのを通り越して、青ざめている。 「よし、ヴィオレッタ。姉さんに指での自慰の仕方を見せてやれ」 ヴィオレッタは軽く息を飲んだが、従順に命令に従った。おそらく、もうほ とんど正常な判断ができなくなっているのだろう。むしろ下腹部への刺激の源 を失ったいま、快楽を自分で掘り起こしてよいというお墨付きを得た彼女は、 興奮するそぶりすら見せている。 目の前で、細い指先がぬぷりと肉裂に忍び込んだ。つかのま、中指で裂け目 を愛撫していたが、すぐに物足りなくなったのだろう。人差し指と薬指を自分 の内側に侵入させ、身体の内側をじっくりとこね回し始める。二人の表情が、 苦悶と快楽に歪む。そうなってようやく、ヴィオレッタは自分の指が姉の体内 をもかき回していることを思い出したようで、僅かに躊躇して――そして、悪 戯っぽく微笑むと、中指も一緒に深々と自分の内部へと打ち込んだ。絶叫にち かいグレイスの悲鳴があがる。 ヴィオレッタはその声にうっとりとしながら、さらに激しく自分の内側で指 を蠢かせた。やがて彼女は両手を動員し、ぐいっと膣口を広げてみせる。グレ イスはそのたびにじたばたと悶え、悲鳴をあげ、全身を痙攣させた。ふむ、妹 はSか。 やがて、ヴィオレッタの呼吸が浅くなり始めた。口がわななき、下半身が震 えている。絶頂が近いのだろう。いやいや、まだ早い。 俺はヴィオレッタの足を片方ずつ離して床に立たせると、彼女の両手をがっ ちりと掴んだ。高みに到達しようとしていた彼女はイヤだとか酷いとかわめき ながら、必死で腰をうねらせる。グレイスはゼイゼイと喘いでいたが、それで も快楽が途切れたことにどこか不安げな表情だ。 俺はヴィオレッタの頭をぐいと押し下げ、その両手をグレイスの開ききった 両膝につかせた。即座に、彼女はこれから何が起こるのかを理解する。俺は彼 女の期待にたがわず、両手をグレイスのショーツにかけると、力任せに引きち ぎった。さらけだされた秘所からは、妹のそれに似た、しかし若干淡い匂いが たちのぼる。グレイスは今更ながら羞恥に打ちひしがれ、俺と目線を合わせな いようにしようと横を向いた。だがヴィオレッタが、曝け出された姉の肉裂に 舌を這わせると、端正な顔は一気に喜悦に侵食される。 ヴィオレッタは姉の秘所を舌でちろちろと舐め、淡い翳りを楽しむように唇 を添え、ほころびひとつ見えない割れ目にわずかばかり舌を差し入れると、あ ふれ出してくる愛液を音をたてて啜った。グレイスは全身を圧倒する未知の快 楽に溺れ、その快楽はヴィオレッタに伝わる。ヴィオレッタは嗜虐の喜びに浸 り、その興奮はグレイスの悦楽をさらに掻き立てる。なんとも無駄のない永久 機関だ。 俺はヴィオレッタの背中をぽんと叩くと、ズボンのベルトに手をかけた。わ ざと大きく音をたててベルトを外す。ヴィオレッタの背中が期待と興奮に震え ているのがわかる。 残念。ヴィオレッタ君、ちょっとハズレ。俺はベルトを手に巻きつけると、 スカートの上から軽く彼女の尻を撃った。突然の痛みに、「あぐぅ」とか「は ぐぅ」とかいう悲鳴があがる。俺は無言でヴィオレッタの尻をもう一度撃つ。 彼女は苦痛に耐えながら、一層激しくグレイスの秘所を責めた。 もう一撃。また一撃。一発ごとに、悲鳴が丸みを帯びていく。ごぷっという 音がして、ヴィオレッタの足元に大量の体液が滴った。足が小刻みに痙攣して いる。 嗜虐の楽しみをそこそこに満喫したので、俺はズボンとトランクスを脱いだ。 息子はもう十分に元気になっている。今度こそ、と思ったのだろう。ヴィオレ ッタが腰を突き出す。 俺はヴィオレッタのスカートをめくりあげ、愛液でぐしゃぐしゃになった尻 のあたりを、肉棒でぺたぺたとはたいてみる。ヴィオレッタは悩ましげに腰を 振り、両足を広げた。 よし、じゃあもうちょっとその格好でいてもらおう。 俺は彼女のスカートを元に戻すと、ゆっくりとグレイスの頭の側に回った。 妹に延々と責められて焦点を失った虚ろな目が、俺の姿を写す。俺はグレイス の顔を掴むと、口を開けさせて、いきりたったイチモツを突き込んだ。彼女は 激しくむせたが、俺はゆるやかに彼女の口のなかで息子をピストンさせる。 ヴィオレッタが低く呻くのが聞こえる。彼女はいま、姉にクンニリングスを しながら、口のなかには俺のペニスを感じているのだ。混乱するどころではな いだろう。それでも、ヴィオレッタはすばやく状況に適応した――グレイスの 秘所にぴったりと口を押し付けると、フェラチオをするかのように吸い始めた のだ。グレイスはこれまでになく激しく悶え、息苦しさと初めて目にする男性 自身に圧倒され、めくるめく快楽に押し流されていた。初めての体験には、ち ょっと過激すぎたかもしれない。 つたないフェラチオを味わったところで、俺はグレイスの口からイチモツを 引き抜く。ヴィオレッタが大きく息を吐き、グレイスは壊れた玩具のようにゆ っくりと首を前後に振っている。 俺はギンギンに膨らんだ息子をブラつかせながら、枕元にあったコンドーム の箱を手に取った。箱をあけて銀色のケースに入ったそれを1つ取り出すと、 姉との行為に没頭していたヴィオレッタの頭を押し上げて、その手に取らせる。 「たいちょぅ、ゴムつきなんですかぁ……」 脳が溶けたような調子でヴィオレッタが呟く。 「アホ。最初の一回はゴムつきってのが相場だ」 「だってぇ……やっぱりぃ……ナマですよぉ……ナマがさいこーですぅ……」 「お前、今ままで全部ナマか」 「はぁい……あたしぃ……はじめてのひとは……げーのーかいのひとだったん ですよぅ……。しゃしんをとるときに……それでぇ……ハマちゃってぇ……」 「お前、本当にアホだな。広報部には芸能界あがりのクズ野郎が多いとは聞い てたが。よく妊娠しなかったもんだ。いいから、さっさとしろ。姉貴が冷めち まうぞ」 「ぁぁぃ……」 ヴィオレッタは舌の上にコンドームを乗せると、俺のイチモツを口に含みな がら、器用にゴムをかぶせていった。 「お前さ、どこで覚えた、こんなの」 「えへへぇ……こんなことにぃ、なったらいいなぁっておもってぇ、いんすと ーるしといたんですよぅ」 「本物のアホだな。まあいい。そら、さっさと姉貴にご奉仕しろよ。まずはお 前を犯ってやる。一度疑似体験すれば、グレイスも気が楽だろ」 「えへへ、やったぁ、うれしぃ……もぅ、さっきからぁ、じらさぇすぎてぇ、 あたまぉかしくなりそぅでしたぁ……」 「もう十分におかしい」 「ぷんぷん……ぉかしくなんてぇ、ないもんねぇ……びおれったはぁ……おか しくなんてぇ……ないれすよぅぅだぁ」 ふらつきながら彼女はもう一度グレイスの股の間に顔を埋めた。金魚みたい に口をパクパクさせながら天井を向いていたグレイスが、突如蘇った快楽に身 体を痺れさせる。ヴィオレッタは姉を愉しませながら、姉と共有される快楽に 酔い、そして全身を期待に震わせて腰を突き上げた。 俺はヴィオレッタのスカートの裾を彼女の背中にまでめくりあげると、人差 し指と中指を彼女の秘所に侵入させる。今更ながら、彼女は快感のあまり下腹 部を痙攣させた。まったく、自分でヤるのと原理的には一緒だろうに。 俺が指をピストンさせると、彼女もそれに合わせて腰を振る。身体の一番深 いところを突き上げられる衝撃に、グレイスが激しく身悶えた。俺とヴィオレ ッタはその様子を楽しみながら、さらに女陰を責める。 皺がよらんばかりにどっぷりと濡れた指を、ずるりと引き抜く。挿入の予兆 を感じたヴィオレッタは、ぐっと腰を突き上げる。だが俺は抜いた指を、彼女 の菊穴にじわりと差し込んだ。ヴィオレッタの背中が揺れる。 「た、た、たい、たいちょぅ、そ、そこ、ちが、ちが……」 「ん? 聞こえんな」 俺はやんわりと彼女の菊穴をマッサージする。やわらかく息を吹きかけ、少 しずつ、少しずつ、中指を差し入れる。ヴィオレッタの全身から、冷たい汗が 吹きだしているのがわかる。 「たい、ちょう……っ、たい、ちょう……っ、そこ、だめ、だめ、おねえちゃ ん、まだ、ひどい、それ、ひど、あうっ、ああ、あうううううぅ」 ヴィオレッタもだいぶ錯乱しているが、もっと酷いのはグレイスだ。彼女は 目を大きく見開き、自分の身に起こっていることを理解しようとして、果たせ ずにいる。菊穴の内側と、膣の内部、その未知の領域双方を同時に責められて いるのだ。理解できるほうがおかしい。 「ヴィオレッタ、ちゃんとグレイスのケアをしろよ。このままだとお前も姉貴 も痛いだけだぞ。姉貴をきちんと悦ばせていれば、お前だって気持ちがいいん だろ? なら、すぐにケツの穴でも感じるようになるさ」 「た、たい……ちょぅ……ダメ……むり、むり、で、すぅ……あぅぁぁっ」 「無理なもんか。カガリはすぐに馴染んだぞ。それとも、所詮、第三世代って のはこんなものなのかな」 「ひ、ひど……ぃ……ぁぅ……っ……」 ヴィオレッタはもう一度グレイスの秘所にしっかりと唇をあてると、強く吸 った。そして背後から襲い掛かる違和感と痛みを追い散らそうと、姉の愛液を 貪っていく。俺は彼女らの呼吸にあわせて、じっくりと菊穴を責める。少しず つ、少しずつ、二人の呼吸に熱さが伴い始めた。 俺はもう一本、指を増やす。二人の背中が跳ねたが、彼女たちはそれを受け 入れた。ゆっくりと抽送を繰り返す。そして、さらにもう一本。 いつしか、二人はアナルを犯される快感に溺れ始めた。正確には、彼女らが 感じている快楽は、ヴィオレッタがグレイスの秘所を犯している、その快楽だ。 アナルに刺さった指からは、痛みと違和感しか感じていまい。だが今の二人に、 その区別をつけるのは無理だろう。 頃合だ。俺はヴィオレッタのアナルから指を抜くと、すかさず自分のイチモ ツを押し当てた。一瞬の抵抗があったが、じわりと押し込むと、空気が抜ける 音をたてながら彼女の腸のなかに俺の息子が飲み込まれていく。 「息をつめるな、ヴィオレッタ」 ヴィオレッタは肩で息をしながら、アナルに突き込まれる痛みに耐えていた。 口はお留守になっている。そのせいか、グレイスはほとんど気絶寸前だ。 やむをえない。俺はまだヴィオレッタの乳首でぶらぶらしていたクリップつ きローターを外すと、クリップを元に戻して、ヴィオレッタの秘所にローター を押し当てた。途端にぎゅっと息子が締め上げられる。だから、息を詰めるな って言ってるだろうが。 軽くイラっときたので、俺はヴィオレッタのクリトリスを指で探り当てる。 さんざん自慰だのなんだので愛撫され倒されてきたそれは、いまなお固く充血 していた。俺は軽く彼女のクリトリスをつまむと、2個のローターで挟むよう に愛撫を始める。これは不感症の治療プログラムで使われることもある愛撫だ が、普通の相手にだってもちろん有効だ。とても、とても、有効だ。 果たせるかな、数秒もたたずにヴィオレッタが快楽の絶叫を上げた。グレイ スもそれにシンクロする。 「あああああっ……!! ああっ! あああっ! そ、すご、た、たいちょっ! そ、そんぁ、ああぅああっっ!」 「ひ、ひあ、ひぐ、ぐ、あう、あ、へんに、へんなの、シンラッ、へんになる、 あ、あああ、シンラッ、あああああっ」 「とっととイケよ。我慢すんな」 ヴィオレッタの耳元で囁く。 「ひ、ひぁ、ひあぁぁぁっ、イク、イキます、イク、イク、ぁあぁぁあっ、ダ メ、ダメ、ダメえええええええっ」 「うああ、へんなの、なに、これ、ああ、これ、だめ、だめ、おちる、おちる ぅ、ああ、あああ、いやああああああっ」 ヴィオレッタとグレイスの身体が激しく痙攣した。だが彼女らがちょっと暴 れた程度で、俺の腕力にかなうはずもない。俺はきっちりとヴィオレッタの腰 を固定し、ローターをあてがい続けた。 足が小刻みに痙攣し、細かな痙攣は腰に、そして腹部に伝わる。こうなった らもう止められないだろう。グレイスの手が椅子をぎゅっと掴み、ヴィオレッ タはグレイスの足首をしっかりと握り締める。 「ひ、ひぁ、イク、イキます、すごぃっ、イク、イクううううっ!」 「いやあああ、いや、いや、いや、いやああああっ、だめえええええっ!」 二人の絶叫が部屋に響き、そして同時に二人の身体からがっくりと力が抜け た。まだまだだよ、お嬢さん方。 「……ぁぅっ……な……ぁ……ま、また、イクよぅ、なにこれぇ、イク、イッ ちゃうよぅ、あああああっ、だめ、いやあああぁっ、また、あ、イクううう」 「う……うぁ……だめ……ダメ……ひ、ひいいいぃ、いや、いやあ、また、ま たくるぅ、また、だめ、もう、むり、むり、むりぃあああああぁっ」 絶頂の波に攫われた直後に、次々に絶頂が襲い掛かる。こうなるともう止ま らない。 「……ぅ……ぃ……くっ……イク……だ、だめっ、うあ、あ、ああああ、ああ、 ああああッ」 「いや……もう……いや……あ……ああ……あ……また……いや……いやあ… …いやああああッ」 「ふぁ……ま、まって、ダメ……ah... no... no, no, no, oh, ahhhh!」 「だ、だ、だめ……please... no... no more... no, no, no, noooo!」 彼女たちの言語処理野が飽和したようだ。自動翻訳機能が停止している。 “comin...comin....no.....no, oh, please...no...comin...” “no... no.. oh... no... god... no... oh my.... no....” 俺はローターを床に落とすと、一気にヴィオレッタのアナルを貫いた。二人 が同時に声にならない絶叫を放つ。 ヴィオレッタはグレイスの身体にもたれかかるように倒れた。全身、どこに も力が入らないようだ。いい具合に菊門の力も抜けているので、俺は彼女のア ナルをたっぷりと楽しむ。二人は目を見開いたまま、俺の動きにあわせて腰を 振っていた。オペレーターの象徴とも言える、鋭利な刃物を思わせる知性の煌 きはどこかに飛び去り、ただのメスになった二人を俺はじっくりといたぶる。 やがて、ぐっと射精感が盛り上がった。俺は歯を食いしばりながら激しくヴ ィオレッタの尻に腰を打ちつけると、二人は「ひぃ」とか「はぁ」とか繰り返 しながら腰をよじらせる。そして二人が極限まで高まったところで我慢を緩め ると、俺の愚息は大量の精液を吐き出し始めた。 しばらくして愚息が一段落ついたので、俺はヴィオレッタのアナルからイチ モツを引き抜く。ヴィオレッタが低く呻いた。コンドームを外し、ゴミ箱に投 げ捨てる。 ヴィオレッタは、完全に息も絶え絶えという様子で、ずるずると床に崩れ落 ちた。気絶しているわけではないし、眠ってしまったわけでもない。だが、半 開きになった口からは涎が滴り、目は1キロ望遠状態になっている。今しばら くは使い物にならないだろう。 俺はグレイスを拘束していたベルトを外した。彼女もまたぼうっとした表情 で天を仰いでいたが、直接犯されていたヴィオレッタよりは余裕がある。何も 知らない乙女にとっては、あまりにも刺激的過ぎたかもしれないが。 椅子からグレイスを抱き上げると、何も言わずに彼女の唇を奪った。彼女は 驚いたようだったが、おずおずと俺の舌に自分の舌を這わせてくる。俺とヴィ オレッタが交わしたキスの感触を覚えているのだ。 そのまま、しばらくキスを続けた。初めは戸惑っていた彼女も、少しずつ積 極的になってくる。十分に彼女がキスの味を知ったところで、俺は彼女から唇 を離す。二人の舌のあいだを、つつっと唾液の糸が伝った。 「……I... no, rebooting language setting... ready. 言語システムが飛 ぶなんて、初めてです……」 「お気に召してくださったようで」 「……ずっと、あこがれてました……カガリさんと、シンラが、キスしてると こを……こっそり、覗き見しちゃったり、とか……」 「そりゃまたどうも。でも、キスだけじゃイヤなんだろ?」 「は、はい……」 「しかしお前もアホだな」 「はい……」 「言語システムの再起動とかさ。どうせまたすぐぶっ飛ぶのによ」 「……え」 俺は彼女をベッドの上に放り出した。 「さて。覚悟はいいかな、お嬢さん」 まずは彼女の上にのしかかると、ゆっくりと胸を愛撫する。部屋に入ってき たときから気にはなっていたのだが、彼女はノーブラだ。俺はそこらへんを聞 いてみることにする。 「お嬢さん、どうしてブラジャーをしていないのかな。そんなにヤられる気マ ンマンだったってこと?」 「あ、あの、発情期が……突然、きてしまって……。初めてで……。胸の、あ、 あの、ええと」 「胸の?」事情は分かったが、ここは聞くところだろ。 「む、胸の、そ、その、ち……乳首が、ブラジャーに、あたって、しまって… …痛くて、その」 「こんな感じで、か?」 俺は服の上からでもわかる突起をぎゅっとつまむ。クリップで挟まれる痛み を間接的に味わってきたとはいえ、じかに触られるとなればまた違うのだろう、 彼女は下唇を噛んで痛みに耐えた。俺は執拗に彼女の乳首を撫で回し、つねり、 胸全体を愛撫した。少しずつ、少しずつ、彼女の呼吸が熱さを取り戻し始める。 「お姉さんのほうが、妹よりもサイズは小さめだな」 わざと意地の悪いことを言ってみる。が、事実なので否定もできまい。案の 定、彼女はぷいと顔を背けた。 「気にするなよ。揉まれると大きくなるって話、聞いたことないか」 「医学的じゃありません、そんな都市伝説」 「ふーん。なら、やめとこう」 グレイスはあわてて俺の方に向き直ると、俺の手をとって自分の胸に押し付 けた。 「俺にどうしてほしいわけよ」 「そ、その」 「どうしてほしいのかなー」 「う、うう、あの、もっと……して……くだ……さい」 「何をもっとすればいいのかなー」 「わ、わたしの、おっぱい……を……触って……」 「今だって触ってるだろ」 「さっき……みたいに……あ、愛してくだ……さい」 「もちろん愛してるぞ、可愛い部下のことは」 「だ、だか、ら……揉んで……ください……お願いです、やめないで……」 「何を揉めと」 「わたしの、おっぱいを……揉んでくださいっ……」 「ふーむ。おっぱいを揉んでほしいとはねえ。常に冷静沈着、気品と知性を兼 ね備えた美貌のオペレーターさまのお言葉とは思えませんな」 「い、い、意地悪っ。シンラの意地悪っ」 「はは、冗談だ。だがまあ、リクエストしていただいたからには、ご要望にお 応えしよう」 俺はたっぷりと時間をかけて、グレイスの胸を開発していった。そもそも、 ついさっきまでローターとクリップの刺激を強烈な快感とあわせてシェアして いたのだ。やわやわとした愛撫は、着実に彼女のなかの女を刺激していった。 ぼちぼちと柔らかな声が漏れ始めたところで、俺は片手を彼女のスカートの なかにもぐりこませ、剥き出しになった彼女自身に触れる。随分前からそこは ぐちゃぐちゃに潤っていて、いつでも男を受け入れられる体勢になっている― ―が、急ぐ必要はない。俺は押し殺したうめき声を上げ始めたグレイスの耳元 で、月並みな言葉を囁いてみる。 「おいおい、本当に処女なのかよ。初めてにしちゃあ、あり得ないくらい濡れ てるぞ」 「……そ、それは、その……」 「それは、何が、どの?」 「……シンラ……だから、です……」 「また変な辞書を入れたのか」 「え。あ、あの、さっき言語システムを再起動したばっかりですから、辞書関 係のリンク修復はまだしてないんですけど、もしかして、なんだかすごい…… 場違いなことでも言っちゃったんでしょうか」 「そうか。場違いってわけじゃないさ」 いやいやいや、正直これは結構クる。小説なんかで目にした日には吹き出し てしまう類の言い回しだが、俺の中で、折角だから優しくしてやろうという気 持ちと、折角だから徹底的にヤらなくちゃという気持ちがグラグラとする。折 角だからってのは、実に便利な言葉だな。 「そういえば、ヴィオレッタとの共有回路はまだ開いてるのか」 「はい。シンクロシティは29%くらいに低下していますが」 「調度いいかもしれんな」 「調度いい……?」 戸惑うグレイスをよそに、俺はまだあっちの世界にイったままになっている ヴィオレッタの身体をベッドへと運び上げた。まずは仰向けに転がし、テラテ ラと光っている陰唇の中に指を突っ込む。グレイスが額に皺を寄せ、ヴィオレ ッタは軽く喘ぎながら腰をよじった。 しばらくヴィオレッタの内側で指をピストンさせたあと、今度は彼女をうつ ぶせに転がして、もう一度指を挿入しなおす。ヴィオレッタが「むーん」と低 く唸った。グレイスの額には皺が寄ったままだ。俺はまた緩やかに指を動かす。 「さて、グレイス。最初のと、次のとで、どっちが痛みが緩かった」 「え……ええ……えと……二番目の……ときの……ほうが?」 「そうか。じゃあ、シンクロシティを上げろ。33%ちょいだ」 「は、はい」 俺はじっくりとヴィオレッタの内側を愛撫していく。微細な襞に指先を這わ せ、細かな凹凸を刺激した。ヴィオレッタはとろんとした目のまま、湧き上が ってくる快楽に浸っている。グレイスは体内を侵食される感覚にいまだ馴染め ないようで、苦悶と苦痛が入り混じったような顔だ。 俺はぐっと力を入れて、ヴィオレッタの身体の一番深い部分に刺激を与える。 「はぐぅ」とか不思議な声をたてて、ヴィオレッタの顎が落ちた。同時に、 グレイスが苦痛を訴える。 「妹は本当の色魔だな。ここで感じるってのは、相当ヤってきた証拠だ」 涙で潤んだ瞳で、グレイスが俺を睨みつける。 「心配すんなよ。だいたいアタリはついてきた」 指先をじりじりと入り口に向かって引いていく。ヴィオレッタがイヤイヤと 首を振った。今はお前のことは聞いてないんだよ、まったく。3/4くらい引い たあたりで、グレイスが軽く下唇を噛むのが分かった。ここか。 俺は同じ場所を執拗に責め始めた。小刻みに指を震わせ、指先で軽く叩くよ うに刺激し、少し強めに襞を擦ってみる。ヴィオレッタは「たいちょぅ……も っとしてぇ……おくにほしぃ」とか寝言を言ってるが、華麗にスルー。 グレイスの表情が、少しずつ切羽詰り始めた。苦痛の皺はどこかに消え去り、 目には怯えの影が見える。呼吸がいい感じに熱くなってきた。 「お姉さんはここが弱点なんだな。さ、気持ちがいいなら気持ちがいいって言 っちまえ。妹みたいに鳴けば、もっと気持ちよくなるぜ」 あらん限りの痴態を見せる妹を横にして、グレイスは快楽の淵に飛び込むこ とを躊躇していた。俺はわざと愛撫の手を止める。途端に、グレイスの表情が 変わった。彼女は何かを堪えるように下を向くと、妹を犯している俺の手に、 躊躇いがちに手を重ねる。 「……きも……ち……ぃ……ぃです」 「痛いって?」 「きもち……っ……い……ぃ、です……っ」 「そうか、そんな痛いのか」 「き、きもち、いい、ですっ! ああっ!」 グレイスの言葉にあわせて、俺は愛撫を再開する。うーむ。しかしまあアレ だ。処女の上付き・下付きの調査だとか、Gスポの探査だとかに感覚共有シス テムを使ったなんてことが知れたら、R Dでデスマーチしてる開発者たちは発 狂するんじゃなかろうか。 ――うむ、あれだ、人類の科学は戦争によって発達するという説があるが、 科学を普及させるのはエロ力(えろぢから。えろりょくでないことに注意)で あるという仮説もあってだね。前世紀におけるDVDの普及にせよ、インターネ ットの普及にせよ、エロ力なしにはここまでの急成長はあり得なかったという 論文がどこかにだな。 ……まあ、いいか。言い訳は、必要になってから考えよう。そもそも必要に なるのかどうかすら怪しいのだから。 最先端の科学技術をエロい目的に使って遊んでいるうちに、俺に装備された 最も原始的な主砲も再装填が完了したようだ。もっと激しくしてほしがってい る妹の秘所を指でやわやわと犯しつつ、俺の膝に額を乗せて快楽の波を堪えて いる姉を眺めるという図は、なかなかそそるものがある。 俺は左手の指でグレイスの顎をとらえると、俺のほうに顔を向かせた。切れ 切れに快楽を訴える彼女の口を、自分の口で塞ぐ。そうしながら、右手は一層 激しくヴィオレッタを責めた。グレイスは何かから逃れようとするように、必 死で俺の口を吸った。 さて、もう、十分だろう。 グレイスに、妹と同じ方向を向いて四つんばいになるように命令する。彼女 もこれから何が起こるのか、よく分かっている。不安そうな表情を浮かべなが ら、俺に尻を向けた。 「もっと高く尻を上げろ」 ヴィオレッタがくいっと腰をもたげる。お前じゃねえよ。 「尻を上げろ。足を開け」 意を決したように、グレイスが腰を上げ、僅かに足を開いた。 「足をもっと開け」 やはり羞恥が勝るのだろう。グレイスは躊躇っていた。俺はヴィオレッタへ の愛撫を止める。 「足を開け。妹のを見てれば、どれくらい股を開けばいいのか分かるだろうが。 それともここで切り上げるか?」 目の前で、ゆっくりと両膝の間が開かれていく。俺は愛撫を再開し、空いた 左手でグレイスのスカートをたくしあげる。彼女が軽く息を呑むのが分かった。 俺は右手をヴィオレッタの中に突っ込んだまま、左手でグレイスの腰をしっ かりと押さえつける。そして、熟れすぎたメロンのようになったグレイスの秘 所に、俺自身をぐいっと押し付けた。 「痛いっ! シ、シンラ、痛い、痛いっ! ひ、ひぃっ!」 うーむ、これだけ濡れてればそこまで痛くもないだろうと思ったんだが。と はいえ考えてみれば、これだけ感じているとはいっても、彼女の体の構造自体 は未通のままなわけで、そこに物理的に異物を挿入すれば痛みが勝るのもやむ をえないかもしれない。 と、姉の痛みがシェアされたせいか、ヴィオレッタがこっちに戻ってきた。 「はぅ……いたぃ……いたぁぃ……でも、だいじょぅぶだよぅ、おねえちゃん、 いたいのはぁ、さいしょだけだよぅ……すぐに、すごく、すっごく、きもちよ くなるよぅ……」 「ヴィオレッタ、そう思うならお姉さんをサポートしてやれ。そこで自分勝手 に腰を振ってるんじゃねえよ」 「ぁうぅ……びおれったも……おねえちゃんといっしょに……はつたいけん、 するです……いっしょがぁ、いいれすぅ……にゃんこみたいに……うしろから ……すてきですぅ……」 ダメだこりゃあ。俺はちょっとだけ嘆息すると、グレイスへの侵入を再開し た。痛い、いたい、が綺麗にユニゾンするが、彼女らが訴えるほど大きな抵抗 はない。締め付けはきついが、にっちもさっちもいかないというほどの感じで もない。ふふ、タケハヤ君、君とは違うのだよ、君とは。 それほど時間をかけることもなく、俺の息子はグレイスの体内に収容された。 グレイスは涙声になって痛みを訴えているが、ヴィオレッタは、いたい、いた いと言いながら腰をガクガクさせている。 俺はじわりと腰を引き、そしてまたじわりと腰を押し込んだ。男根の突起部 が細かな襞を刺激していくが、そんなことよりも今は異物感と圧迫感のほうが 強いのだろう。 「たいちょう……もっと……もっと、つよくぅ……つよく……ついてくださぃ ……」 「アホ。姉貴がぶっ壊れるぞ」 「だーいじょうぶれすよぅ……あたしの……おねえちゃんなんだもん……」 根拠があるんだかないんだか良く分からない断言をされる。いやいや、それ はまだまだ先のお楽しみだ。俺はヴィオレッタの訴えを無視して、あくまでも ゆるやかにグレイスの内側を抉り続ける。 そうやってじっくりと抽送を繰り返すうちに、グレイスの涙声に甘さが混じ り始めた。気をよくして、ピストンのストロークを長めにとる。最初の数回は 息を詰まらせていたが、すぐに馴染んだようで、今はもう犬のようにハッハッ と喘いでいる。 だいぶ動きに余裕がでてきたので、俺は事前調査しておいたグレイスの弱点 を重点的に責めることにする。グレイスは激しく首を振りながら、堰を切った ように「気持ちいい」を繰り返した。ヴィオレッタは、「初めてなのにそんな に感じるなんて羨ましい」とかなんとかブツブツ言っている。 そんな感じで、20分ほどゆっくりと腰を動かし続けただろうか。グレイスは 言葉が出なくなってきたようで、両肩をベッドに落とし、シーツを噛みしめて いる。細かく震え続ける右手がいい雰囲気だ。 「たいちょぅ、おねがぃ、おく、おくを、つよくついてぇ……っ! あたし、 こんな、ダメ、もっとほしぃよぅ、たいちょうぅ、ひどいよぅ……!」 ヴィオレッタが半泣きになり始めた。まあ、そろそろいいか。いくらゆっく りとしたピストンとはいえ、俺もそろそろいい感じに気分が高まっている。 「グレイス、そろそろいくぞ」 俺はそう宣言すると、返事を待たずに大きく腰を引いて、ぐんと強くグレイ スの身体の奥深くをえぐった。 「ひぎぃぃぃっ!」 不思議な悲鳴がシンクロする。なんだその声は、とか突っ込みを入れはじめ るときりがないので、俺は自分の性欲を満足させることだけに集中することに した。長いストロークで、激しく怒張を突き立てる。 こめかみの辺りが軽くぴくつきはじめた。ぐっと歯をくいしばって、がつん、 がつんとピストンを繰り返す。グレイスは目を大きく見開いて固く固くシーツ を握り締め、ヴィオレッタは激しく腰を振っている。 限界は唐突に訪れた。グレイスの胎内に、どっと俺の体液が噴出していく。 グレイスはぜいぜいと荒い息をつき、ヴィオレッタが「あうっ」と声をあげた。 俺は軽く抽送を繰り返して、残滓を吐き出す。 やがて息子が欲望を吐き出しきったところで、わざとゆっくりとグレイスの 中から引き抜いていく。グレイスが微かなうめき声を上げた。俺の息子も、グ レイスの秘所も、血と体液でぐちゃぐちゃになっている。俺はベッドの上にあ ぐらをかいて、「どうだった」と声をかける。 「すごぃ……すごかった……れすぅ……」 「お前の感想は聞いちゃいねえ」 「ひどぉい……」 「どうだ、グレイス。女になった感想は」 「……よ、よく、わかりません……」 「そうか。ま、そんなもんだな」 「あ、ああ、あの、でも……」 「ん?」 「嬉しかった……です……それから……あの……きもち、よかった……です… …。ありがとうございます、シンラ……」 「どういたしまして」。俺は苦笑を禁じえない。 ――が、ヴィオレッタは別の感想を抱いていたようだ。 「ずるーい! おねえちゃんだけ、ずるいんだぁ! いぃもん! おねえちゃ んなんかには、できないこと、やるんだもん!」 言うが早いか、ヴィオレッタは俺のイチモツを口に含むと、あり得ないほど 慣れた様子で舐め始めた。いやこれは……俺もプロに性欲処理をしてもらった ことはあるが……普通にその道で食っていけるレベルだ。思わずうめき声が漏 れてしまう。 俺の声を聞いて、ヴィオレッタは勝ち誇ったような表情になると、一層激し く息子をしゃぶり始めた。あっとういまに息子が元気になる。彼女は俺の男性 自身の太さと硬さを確認すると、笑みを浮かべてフェラチオを止めた。 「えへへへぇ、おねえちゃんには、こんなこと、できないもんねぇ……だ」 グレイスは妹の暴走っぷりにぽかんとした表情を浮かべている。フェラの感 覚は共有されているはずだが、さすがにここまで本人たちの技術差があると、 何が起こっているか理解できなかっただろう。 ヴィオレッタは張りを取り戻した俺の息子を片手で握ると、俺の上にのしか かって、ぎゅっと自分の陰部に押し当てた。そして、うっとりとした表情のま ま、腰を沈める。感覚共有をしていたグレイスが悲鳴を上げた。 「だめだよぅ、そんなおしばいしても……おねぇちゃん……もう、きもちがよ くなってるの……しってるんだから……」 俺を下の口で銜え込んだまま、ヴィオレッタは姉を抱き寄せ、俺の腹の上に 座らせた。重いな、クソ。ヴィオレッタは、腰を振りながら背後から姉の胸を 揉み、それからふっと息を耳の後ろに吹きかける。 「ひゃふっ!?」 グレイスが妙な声を出した。 「しってるんだもん……おねぇちゃん……ここがよわいんだよねぇ……」 ヴィオレッタは俺の分身を締め上げ、ねっとりと腰を動かしながら、姉の胸 と耳を責めたてる。何かを必死に堪えるような表情だったグレイスは、妹が耳 をぱくりと咥えたとたん、決壊した。首を大きくのけぞらせ、自分から妹にあ わせて腰を動かし始める。 「たいちょぅ……あたしのなか……きもちいぃ? ちゃんと……きもちいぃ?」 俺は曖昧に頷く。 「おねぇちゃんと……どっちが……きもちいぃ?」 そらきたぞ。 「そりゃお前、中古品よりは新築未入居のほうがいいに決まってるだろ」。シ レっと言ってみる。 「……!! ひっどーい! きづついたんだからね……きづついたんだからね ぇ……こーしてやるぅ! どうだっ!」 ヴィオレッタは綺麗に発達した腹筋を総動員して俺のイチモツを締め上げる。 グレイスが口の端から泡を吹きながら、ガクガクっと痙攣した。俺は急に高ま ってきた興奮を散らそうと必死になる。 「おねぇちゃんだってっ……もう、ちゅうこひん……だもんねーだ。でも、お ねぇちゃんには、こんなこと、できないもんねぇーだぁ」 ヴィオレッタはグレイスの両耳の裏をくすぐり続けている。快楽のあまり意 識が朦朧としているグレイスのバストを鷲掴みにすると、胸に走った痛みで彼 女はこっち側に戻って――そして再び悦楽の波に攫われる。 ……とまあ、そんな感じでヴィオレッタにもナカでのフィニッシュを強要さ れてみたり、 疲れ果ててグダグダになっているグレイスを二人がかりで責め立てて、勢い にまかせてアナルの処女も頂いてみたり、 3人でシャワーを浴びていたら、成り行きでピンクっぽい雰囲気が再燃した ので立ちバックで姉妹を交互に犯してみたり、 そうこうしているうちに、俺もちょいと疲れてきたので、三人で川の字にな ってベッドに横になった。時計を見てみると、そろそろ夜も明けようかという 時間だ。随分長丁場になったもんだ。 グレイスはもう半分眠っているようで、目がとろんとしている。ヴィオレッ タはまだ元気だが、軽く欠伸をかみ殺したのは見逃さない。俺もやや眠気を感 じたので、二人に腕枕を提供すると、そのまま眠ろうと思った。 が、眠りに落ちる寸前、ふとした疑問がわきあがる。 「……あのさ。寝る前にひとつだけ聞きたいんだが」 「ふぁ……なんですかぁ、たいちょぅ……あたしわぁ、もういっかいせんくら いならぁ、なんとかいけますよぅ」 「アホ。いやさ、お前ら、トシはいくつだ」 「れでぃーにねんれいをきくのはぁ、まなぁいはんですよぅ」 「いいから」 「……18です、シンラ。正確には、あと5分くらいで19になります」 「助かった」 「たすかったってぇ、たいちょぅ、どーいうしんぱいしてたんですかぁ」 「ロリコンの汚名は御免だ」 「えへへ、そんなにかわぃく、みえますぅ?」 「幼く見える」 「ぷんぷん!!」 「……マジな話さ。俺はガキを地獄に連れてきたんだと、ずっと思ってた。ま、 だからって許される選択でもないとは思うがな」 「シンラ……」 「ヴァイス、シュヴァルツ、正直なところを言ってほしい。この作戦の成功率 は、1%以上残るか?」 「……いいえ、シンラ。CMIの量子コンピューターを利用して計算できた段階 で、0.4%という数字でした」 「だよな。すまん」 「いいんです、隊長。わたしたちのことは、気にしないでください」 「思うのさ。世が世なら、お前らは人生を一番楽しんでる時期だ。お喋りして、 カフェを食べ歩いて、恋人を作って、ケタケタ笑って、くだらないメールに一 喜一憂して。そういう人生を送ってる人間だって、まだまだいるってのにな」 「シンラ、わたしたちは、志願して」 「だからさ。だから、まあ、なんだ。アホな指揮官ですまん。すまんついでに、 運が悪かったと思って――死んでくれ。俺やカガリや、エメルのためじゃなく、 ましてや防衛戦線だの、人類だのいうわけの分からん集団のためなんかじゃな く、脳みそスッカスカな恋バナだの、スイーツ食べ放題なランチバイキングだ の、そんな……そんな、くだらねぇ未来のために、死んでくれ」 「アイ・サー。武運を。とびっきりの、武運を」 「悪いな……しかしまあ、ハイティーンか……。 ああ、5分経ったな。ハッピー・バースディ、グレイス、ヴィオレッタ」 「ありがとうございます、シンラ」 「たいちょぅ、さんきゅ~でありますぅ」 俺は軽く笑うと、腕枕をしたまま二人の乳房に手を這わせた。 「シ、シンラ?」「たい、ちょう?」 「何キョドってんだ。誕生日ったらプレゼントだろ。寝るには早えぇよ」 さて、追撃戦といきますかね……。 (chapter4に続く) → イカルガ chapter4 ← イカルガ chapter2
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/52.html
◇???×港町の空腹ルシェです。 ◇ちょっとしたネタバレアリ(ハノイに会った方はOKです) 「また…きてください…絶対に…!」 一体何度聞いたセリフだろうか? その言葉に含まれている意味は、とうに理解はしているものの、未だに自分の幼く未熟な心は揺さぶられる。 彼女の名前は聞いたことがない。だが、『港町の空腹ルシェ』と言えば大半の冒険者は分かるであろう。(これはおそらくではあるが語尾に『ニャ』と付ける宿屋のルシェよりも認知度は高いのではないのだろうかと思う) 道具屋を開いている彼女は行く人来る人に懇願の眼差しを向け、少しでも情が有ろうものなら、何も買わなければ彼女の潤んだ瞳に罪悪感を覚え、ついつい、いらぬ物まで買ってしまうのだ。 ‥‥誤解しないでもらいたいがこの『マナ水』は必要だから買ったのだ。決して、決してあの娘に会うために着たわけではない。 話がずれたが、そんな彼女の姿は実はワザとではないかと疑う人もいる。気持ちは分かる。私も一瞬だが疑ったがその線は薄い。いや皆無だ。 私は『アイゼン皇国』で生まれ、貴族の跡継ぎとして育った。 だが、金や体面に執着する父母や、飢え苦しむ貧民街の現状を知り、自分の出来ることを見つける。或いは得るために冒険者の道を選んだ。 彼女の目はあの時、私が貧民街を初めて歩いた時に出会った子供の目と同じであった。間違いない。 無論、実験もした。ある日、『アゴート揚げ』や『はちみつうーろん』等を買って彼女に渡し、 「先日の礼だ。あげるよ」 と言ってみた。 (嘘は言っていない。以前、どうしても『パロメディ』が欲しくて、頼んでみたら後払いで一つくれたのだ) すると一瞬目を丸くし、おずおずと「いいの?」と如何にも涎を垂らさんばかりの顔で俺をいや、『アゴート揚げ』を見つめながら聞いてきた。‥‥俺はアゴート揚げ以下か? 「当然だ。いいよ」と答えると嬉しそうに食べ始める。三人分の量は瞬く間になくなり、食べ終わった彼女は心底うれしそうな笑顔でこう言った。 「ごちそうさま~えへへ」 不覚にも齢二十余でときめいてしまった。 それ以降、一週間に一回のペースでここに来ては、それこそ、北の『ネバンプレス帝国』に始まり、『カザン共和国』、『ミロス連邦国』、果ては『サイモン村』や我が故郷『アイゼン』の名物を彼女に持ってきてあげている。今度は南の国に行ってみようと思う。 だが、最近困ったことがあるのだ。どうも彼女の魅力に気付いたらしい馬鹿野郎がいるのだ。確か紫がかった色の髪をしたインテリらしき冒険者だった。近々告白するらしい。 さて、ここまで永く長い話をしたのは他でも無い。これだけ話せば俺が言いたいことが分かってくれたと思う。頼む。どうか俺に協力してくれ! 【クエスト『人の恋路を邪魔する奴は‥‥』が発生しました】 【恋する男】 「君達‥‥受けてくれるのか‥‥! いや、すまない。こんな変なクエストを受けてくれるとは思わなかったんでな」 「報酬の1000Gは本当だ。前払いで500G渡しても良い」 【リーダーはその提案をやんわり断った】 「何? 必要ない? そうか、そうだな。君達の噂は聞いている。東大陸の帝竜を二頭も倒したそうじゃないか。更に様々なクエストをクリアしていると聞く。信用しよう」 【依頼人は椅子から立ち上がり、出口に向かう】 「依頼内容を話すにあたっては確認事項がある。ちょっと宿屋までついてきてくれ」 ◇◇◇ 「彼女こそ、僕のラヴを受け取ってくれるはずだ! あの無垢なる笑顔の何て素敵なことだろうか! あぁ‥‥罪深い人だ!」 【隣の部屋から聞き耳を立てないまでもハッキリと聞こえるであろう、大声で叫んでいる男を、コッソリとドアから見ている五人】 「見えるか? あれが先日言った馬鹿野郎だ。あのままだと近い内に絶対告白するだろう。依頼はそれを阻止して欲しいんだ。 非人道的以外なら何でも良い。とにかく、何としてもアイツを食い止めてくれ」 【依頼人はそう言うと何故か壁の方へ静かに体を向けた】 「‥‥俺にだって、本当はこんな事をしなくてもとっとと俺が告白すれば良いって事ぐらい分かっている。 だが、俺はやっと、彼女の知人というポジションになる事が出来たんだ。それを失いたくない事は君達にも分かってくれると思う。 だが、今度会った時、俺は告白する! 俺も男だ。彼女の優しさにつけ込んでダラダラと先延ばしにするよりも、当たって砕かれて! サッパリとしてやる!」 【依頼人は静かにこちらへと視線を戻す】 「期間は一週間後の午前。次の土産話をするためにここに戻ってくる。それまで抑えていてくれ。頼んだぞ! アイゼンまで俺は一旦戻る。それまで抑えていてくれよ! では!」 ◇◇◇ 一日目 「さて、準備は整った! いざ、行かん! 僕のラヴを伝えるためにぃいい!」 【グィ】 「え?」 【ビターン!】 「ぐはぁ!? な、何だ? 何で僕は転んだんだ? ぐっ‥‥こんな泥だらけの格好じゃ僕のラヴの全てを伝えられないじゃないか‥‥仕方ない、今日は諦めよう‥‥だが、明日こそ必ず! 僕のラヴを! あの方にぃいい!」 二日目 「さぁ、今日こそ僕のラヴの全てを渡す! 待っててくれ‥‥僕のディスティニーぃい!」 【先回りして】 「何か‥‥買って下さい‥‥え‥‥? 私に‥‥用がある‥‥?」 【|>はい】【いいえ】 「分かりました‥‥宿屋に向かいましょう‥‥後‥‥すいませんが‥‥」 【? という様子で彼女を見る】 「食べ物を‥‥持ってませんか‥‥?」 【しばらくして‥‥】 「こんにちは。今日は貴女にお伝えしたいことがってあれ? いない‥‥どこいったんだろう‥‥はっ! さては僕のラヴをみんなの前で受けるのが恥ずかしさ故に逃げてしまったんだな! 待っててくれ! 今行くよ! 僕のディスティニーぃい!」 【この後も息のあった四人により、何とか交わし続け、時は約束の日となった】 (いやだって本当に一週間もこんな事書いてたら身が持たなうわ何する止めr) 一週間後 「ど、どうなった!?」 【ここ最近の現状を話す】 「そうか‥‥ありがとう。こんな願いを聞いてくれて‥‥俺は今から彼女に会いに行く。見たいんだったら見ても良い。君達には見る義務は無いが権利はあるからな」 【男は覚悟した顔付きになった】 「‥‥では、また会おう!」 【男はゆっくりと威厳溢れる姿で歩いていった。見ますか?】 【はい】【いいえ】 【|>はい】【いいえ】 「いらしゃいませ‥‥あ‥‥お久しぶり」 「あぁ、久しぶり‥‥元気だったか?」 彼女――名を知らない彼にとっては彼女としか言いようがない為、彼女は『彼女』である――は、彼――くどいようだが、名を知らない彼女にとっては彼としか言いようがない為、彼は『彼』である――を見つけると、少しだけ、口元を緩ませた。 「うん‥‥それで‥‥」 「あぁ、ちゃんと持ってきたよ。今、とり出すからさ」 「‥‥うん」 彼女は彼の言葉に少し目線を残念そうに下げる。その表情に彼は気付き、自分が何かしてしまったのだろうかと不安になった。 「どうか‥‥したか? もしかして、朝ご飯食べたばっかりだったとか?」 その言葉に彼女は少し驚いたいや、反射して普段では絶対出さない大声を出す。 「う、ううん! あの、そうじゃなくて! あ‥‥その‥‥何でも、無い‥‥」 そんな彼女の様子に彼は少し、苦笑いして、「‥‥そうか」と呟く。 「食べたくないなら貰ってくれるだけでも良い。コレは俺が勝手にやっていることだからな」 彼の言葉に彼女は何か言いたそうに顔を上げたが、何も言わずにゆっくりと頷いた。 「‥‥ところで、その、最近何かあったか?」 「‥‥?」 「いや、何かいつもより元気が無いみたいだからさ」 他の客がいたら「この子はいつも元気がないよ」と言うだろう。 だが、長い事彼女の色々な表情を見てきた彼にとってみればいつもと違う事は大体分かるのだ。 「何も、無かったけど‥‥」 「そうか、ならいいんだ。っと、忘れてた。ほら、今日はアイゼンの『まんじゅう』というヤツだ」 「!」 彼が取り出した『まんじゅう』という甘い匂いをした食べ物に頭上の耳をピーンと伸ばし、目はキラキラと輝き、口からは今にもよだれが垂れそうである。これで犬の尻尾が有ればちぎれんばかりに振るうだろう。 「今日はあまり、客も来ないみたいだし、後でその、一緒に‥‥食べないか?」 恥ずかしがりながらの彼からの提案に少し意外だなと驚いたものの、すぐに彼女は首を縦に振った。 「! そ、そうか。えと、その、長旅をして直ぐに来たから汚いだろうし、体、洗ってくるよ。じゃあ、お昼にまた!」 「え? ‥‥あ、あの」 本当は体は洗ってから来たのだが余りにものプレッシャーに彼は焦り、彼女が呼んでいるにも関わらず、凄い勢いで店を出ていった。 「‥‥えへへ」 誰もいなくなった店で彼女は幸せそうに笑う。『まんじゅう』が美味しそうだと言うこともあるが、彼女にとってそれは二番目でしかない。 (嬉しい‥‥でも‥‥ズルいなぁ‥‥私) 【ギィ‥‥】 そこまで考えて、店のやや古い木の扉が開く音を聞いて彼女は――こんな締まりの無い顔を誰かに見られるわけにはいかないのだ――身を引き締めた。 そこにいた人物は冒険者にしてはやや小綺麗な姿から察するに、おそらくメイジだろう。そしてその手には可憐な花が沢山――それこそ、手に持てるかどうかというぐらいの量の花があった。 そしてその人物は歯がキラッと光らんばかりの笑顔をした。 ◇◇◇ 「逃げちゃ駄目だ‥‥逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ!」 彼はブツブツと宿屋の裏で自分自身に言い聞かせるように呟やいている。 そんな純情な彼を四人は暖かく見守っていたのだが、そろそろ約束の昼だ。じれったくなった一人が、石ころを勢いよく彼の背中に投げつける。 「逃げちゃだっ!? ~~っ! だ、誰だ! 今、俺に向かって何かした奴は!」 叫ぶものの当然誰も何も言わない。 「ったく‥‥ってあぁ! もう昼頃じゃないか! くそっ! こうなったら腹をくくるしか‥‥!」 彼はようやく店へと向かった。それを追いかける四人。水をくむ女性はそれを面白そうに見ていた。 ◇◇◇ 彼は店の前で立ち往生していた。その顔はさながら帝竜に初めて出会った冒険者のようだった。 (腹をくくれ! 今日こそ‥‥今日こそ告白するんだ! 彼らの協力を無駄にはしないためにも‥‥! よし、行くぞ!)「よぅ、待たせた「あぁ君のなんたる美しいことか! それこそ、他の娘に比べたら月とすっぽん! 君こそこの世で最も美しい!」 彼は凍った。迂闊だったのだ。約束は今日の午前まで。午後にあいつが来る可能性をすっかり忘れていた。彼はそのまま何もできずにただ突っ立っていた。 「あの‥‥」 「あぁ‥‥何も言わなくても結構です! 貴女のその顔を見れば全て分かります! あぁ、貴女は罪深い人だ。そんなに私を困らせないで下さい」 言ってることが支離滅裂だ。だが彼には何もできなかった。その男は続ける。 「きっと貴女は恥ずかしがっているのでしょう! こんな衆目の面前で恥ずかしがり屋の貴女はラヴを言うことなんて出来ない。そうでしょう!」 「‥‥私には‥‥好きな人がいるんです」 「えぇそれは――! え?」 「!?」 男は大袈裟な身振りのまま凍り、彼は彼女の言葉に息を呑んだ。――もしかしたら、自分では? 期待を抱きながら彼女の言葉を待った。 「それは‥‥どのようなお方で‥‥?」 「私の‥‥命の恩人です。私は‥‥私は彼以外、好きになることなど‥‥ありえません」 いつもよりハッキリと静かに言う彼女にコレは彼女の本心だろうと確かに感じた。感じたが、同時にそれは『分かった』。知りたくなかったこと。そして可能性として考えていた事。 「彼は‥‥私が幼い頃、魔物から私を助けてくれたんです‥‥身体を張って‥‥」 彼と彼女の出会いは一月前、この関係はただの彼の気紛れから始まった。 「私は彼こそが、私の命‥‥いえ、全てを捧げるべき存在だと、私は感じました」 彼の記憶には幼い頃、魔物から誰かを助けてやった事など無い。つまり―― 「だから‥‥貴方の好意は‥‥受けられません」 ――彼女は自分を好きなどではない。 彼は自分の足元が、瓦解したとハッキリと感じた。そして、理解した。彼女は自分に振り向かないと――。 「そうですか‥‥分かりました‥‥」 ここまで言われては、熱い告白をした男も流石に引き下がった。 そして出て行く途中、立ち尽くしていた彼にぶつかった。 「あぁ‥‥すまないね。今‥‥出ていくよ」 それだけ言うと、男は背中からフロワロでも生えそうな様子で出ていった。 「‥‥!」 彼女は先の言葉にやっと彼がいることに気づき慌てふためいた。 「あ‥‥あの‥‥!」 「あ‥‥あぁ、その、ゴメン。急用が入ってさ、お昼は一緒にできそうもないから‥‥ゴメン」 「! ま、待って‥‥!」 彼は逃げ出すように店を出ていった。彼女が呼んでいたのが聞こえたが、今あの場所にはいたくない。ただそれだけが彼の頭に入っていた。 ◇◇◇ 「あぁ‥‥君達か」 彼は夕暮れ時の海岸で呆けていた。 「すまないな、君達の協力を無駄にしてしまって‥‥これ、やるよ」 【『不器用な旅人のお守り』を手に入れた】 「それ、彼女が‥‥『食事のお礼です』って‥‥くれたんだ‥‥だけど‥‥もう、必要‥‥ないからさ‥‥」 四人の誰もが、彼を元気づけようと様々な言葉で慰めたが、彼は静かに、無表情で言った。 「どっちみち‥‥俺は彼女に干渉し過ぎたんだと思う。たまに、そんな素振りが見えていたからさ‥‥あの時も‥‥いや、もう止めよう」 彼は静かに立った。その目はフロワロで埋め尽くされた海を見ているようだったが、よく見ると、その瞳は何も移していないことに四人は気がつく。 「俺は少し、旅に出るよ‥‥砂漠にいると‥‥忘れられないから‥‥どっか‥‥山奥にでも行こうと思う‥‥クエストが完了した旨は伝えておくよ。世話になったな‥‥」 彼は覚束ない足取りで立ち去っていった。 途中、立ち止まり、誰に言うわけでもないのに、彼は誰かに語るように呟いた。 「そう言えば‥‥俺は彼女の名前も知らないんだったな‥‥ハハハ‥‥とんだ、妄想野郎だな。道化だよ‥‥ハハハ‥‥ハハハ、ハハ‥‥ハ‥‥」 【クエスト『人の恋路を邪魔する奴は‥‥』を完了した】 ◇◇◇ 四人はやりきれない想いを胸に抱いたまま、とりあえず、足りなくなった道具を買い足すために道具屋へと向かった。 「あ‥‥! ‥‥いらっしゃいませ」 先程の事もあり、四人は何だか目を合わせ辛くなったので早々と立ち去ろうと商品を手に取り、レジに置いた。すると。 「‥‥冒険者(ハントマン)ですよね‥‥?」 彼女は急にそんなことを訪ねてきたと思ったら、驚く事を言ってきた。 「お願いです‥‥! どうか、私を‥‥私を貴方達のギルドに入れて下さい!」 彼女の普段を知っている人からは考えられない迫力に四人は事情を聞くことにした。 ◇◇◇ 質素ながらも一通りの家具が揃った一軒家。四人は彼女を落ち着かせた後、彼女の自宅へ送り、今に至る。 「‥‥すいません‥‥取り乱してしまって‥‥」 彼女は頭上の耳を垂らした。一人が彼女に説明を頼んだ。もう一人は彼女の耳をにやけながら見て、隣の仲間に小突かれた。 「実は‥‥私、失恋してしまったのです」 彼女は静かに語り出した。 ◆◆◆ 私は‥‥アイゼン皇国の出身で‥‥幼い頃、ある貴族の使用人として雇われました。 私の主人は、その、乱暴で‥‥私はストレス発散の為、様々な事をされてきて‥‥ヒドい時は寒い日に‥‥いえ、これは‥‥関係なかったですね。 九つになった頃、私は‥‥買い物に行く途中にある貴族と、出会いました。 彼は‥‥その時、十ぐらいだったと思います。薄汚れた私と違って‥‥凛々しく、綺麗な‥‥そう、綺麗としか私には言い表せない‥‥。 そんな彼に私は、その‥‥あの‥‥一目惚れを‥‥した、のです‥‥。 ‥‥身分が違うことは分かっていました。使用人と貴族何て、お伽話じゃない限り、無理だって事は‥‥。 それでも、私は‥‥私は彼と‥‥一緒になりたかったんです。 例え‥‥彼に妻が出来ても‥‥彼の下で働けたらどんなに幸せでしょうか‥‥。そう、夢見たこともありました。 そんなある日、主人は‥‥野盗に襲われて‥‥亡くなりました。 私は解雇され‥‥その、運良く、身寄りのない老夫婦の養子となり‥‥今、ここにいます。 そして最近‥‥その貴族の方が、何故かこの近くまで来ていて‥‥しかもたまにですが、私に会いに来てくれていたのです。 それからは‥‥毎日が幸せでした。辛い日も彼がまた来てくれるなら、そう思えば、私は頑張れた‥‥。 しかし、今日‥‥来てくれた彼に対して、私は、‥‥傷つけてしまった。 多分‥‥もう会いに来てくれないと思います。いつもなら、私に一言、交わしてから帰りますから‥‥。 私‥‥彼に謝らなきゃいけないんです。彼が私を嫌っていてもいい‥‥。せめて‥‥別れてしまうならせめて‥‥! 彼に‥‥謝罪と‥‥お礼の言葉を言いたいんです‥‥。 お願いです。私を‥‥貴方達のギルドに連れていって下さい。彼は冒険者で、色々な場所を行き来すると聞いています。貴方達に付いていけば‥‥ここで待っているよりも、彼に会える可能性は高い‥‥そう考えています。 ‥‥帝竜を倒したギルドだと、私は風の噂で聞きました。老若男女、分け隔てなく、接していて、信用あるギルドだとも‥‥貴方達がそうなんですよね‥‥? 私には‥‥大した物なんてありません。お金も、ほんのちょっとしか‥‥。 ですが、どうか‥‥どうか私の願いを‥‥叶えて下さい‥‥お願いです‥‥もう一度だけでもいい‥‥彼に‥‥会いたいんです‥‥! お願い‥‥! 【クエスト『貴方に会った、その日から‥‥』が発生しました】 「貴方達は‥‥」 彼女にクエストを受理した旨を伝えると顔を綻ばせ微笑んだ。 「受けてくれたんですか‥‥? あ、ありがとうございます‥‥! では、今準備して来るので‥‥」 四人の内の一人はふと、この店はどうするのかと彼女に尋ねる。 「それは大丈夫です‥‥義姉さんが暇そうらしいので」 それだけ言うと、彼女は自宅へと向かっていった。 ◇◇◇ 「ふーん、アンタ達があの有名な? もっとこう、妖怪みたいな奴だと思っていたけど、へー。 あ、そうだ! ねぇ帝竜ってどんなの!? やっぱり厳つくて、怖がった? カザンには沢山の冒険者(ハントマン)がいるって本当? ミロスの女王様ってどんなんだった? メイドって隠しジョブなの? あ、他にさぁ!」 彼女の義姉はまるでリアクトが常時発動したかのように、ずっと俺のターン状態だった。 「あの‥‥義姉さん‥‥?」 「あぁ! もう急に冒険者になるなんて最初は私も吃驚したけど、事情が事情だから仕方ないとして、お姉ちゃんは可愛い妹が心配何だからね! 辛くなったら帰ってきてよ? あ、お土産は何でも良いわよ? あ、でもちゃんと『彼』は捕まえてくんだからね! 後、朝ご飯はちゃんと食べんのよ? 体も洗いなさいね? 嫁入り前なんだから顔とかに傷をつけちゃ駄目なんだからね! 他に――」 ◇◇◇ それから知らない人にホイホイついてっちゃ駄目よ? きっとソイツはのんけだって食っちゃうんだから! 耳をピクピクさせちゃ駄目よ? 男はみんな獣耳に弱いんだから! あ、それから「えと‥‥義姉さん?」 「え? 何?」 「冒険者の方々が‥‥」 義姉が彼女の目線の方へと目をやると、四人は地面に絵を描いたり、しりとりをしたりしていた。 「あ、ごめんなさいね~てへ☆」 「‥‥」 義姉は漸く話を終えて、彼女は簡単な鎧などを付けて四人に準備完了を伝える。 「じゃあ‥‥行ってきます。義姉さん」 「うん、いってらしゃい。あ、最後に一つだけ良い?」 「‥‥?」 義姉は彼女に近づくと、しっかりと彼女を抱きしめ、彼女だけに聞こえるよう、静かに呟いた。 「気をつけてね。私はずっと‥‥待ってるから」 「‥‥うん、分かったよ‥‥お姉ちゃん」 ◇◇◇ 「はぁ~、あの子がまさか旅に出るなんて思いもしなかったな~」 一人いなくなった家の中で義姉は呟いた。 「ま、恋心にはかなわないからしょうがないんだけどね」 パリッと、煎餅を食べながら、義姉はまた呟いた。 「‥‥淋しいなぁ」 ズズッと、煎餅を食べた後冷茶を飲み、ほぅと溜め息を吐く。 「でも、ま、可愛い妹の為だからね☆」 ギィと木の椅子から立ち上がり、店へと向かう。 「さて、お仕事お仕事! いっちょ、一肌脱ぎますか!」 ◇◇◇ 「どうでした‥‥? 義姉さんは」 四人は苦笑いしながら元気な人だと、当たり障り無い感想を述べた。 「そうですね、でも‥‥正直、義姉さんは五月蝿いと思ったでしょう」 三人はまた苦笑いし、まぁねと一人が答えて、隣の一人がソイツの足を思い切り踏んだ。 「私も‥‥そう思います‥‥。 私、喋るの苦手ですから‥‥いつも、義姉さんが一方的に喋るんです」 彼女は微笑みながら語る。 「五月蝿いと思った日もありました。喧嘩した日もありました。‥‥でも」 彼女は目線を下に向け、ゆっくりと喋る。 「私‥‥義姉さんの‥‥お姉ちゃんの‥‥『妹』、なん、です‥‥血は、繋がって、なかった、けど‥‥『妹』、なんです‥‥」 彼女は瞳に涙を溜め、肩を震わせ、途切れ途切れ喋る。 「コレは、私のワガママです。それでも‥‥お姉ちゃんは笑って見送ってくれました。 ‥‥私は戦う事はできません‥‥貴方達の荷物になることは分かっています。 でも私は‥‥私はどんな事があっても、お姉ちゃんを悲しませたくないんです。 だから‥‥もう一つ、私のワガママを聞いて下さい」 彼女は涙を拭い、四人に向いて、頭を下げ、静かにハッキリと喋る。 「私は私のできることをします。なので‥‥私を守って下さい。私は‥‥死ねないんです。お願いします。私のワガママ‥‥聞いてくれますか?」 四人は一瞬、それぞれ顔を見合わせ、再び彼女を見て、当然と答えた。 「‥‥ありがとう」 彼女は柔らかに笑い、そこにいた四人共、彼が惚れた理由を何となく察した。
https://w.atwiki.jp/nanadorakari/pages/64.html
エロ微小(強姦)・虐待表現・グロ表現あり・欝です。 ――花が、咲いている。 私が故郷を追われたのは、もう14年前のことだ。森の木々が薄紅の花を咲か せる頃、ごく普通の人間の両親から生まれた私の頭には、柔らかな毛で覆われ た獣の耳があった。私の姿を見た父親は動転して家を飛び出し、母親はうろた えて泣き続けた。そしていつしか、母はすべての原因が私にあると考え、私は 寒い家の中で、たった1人で生きた。母の怨嗟の視線を常に感じながら。 今ならわかる。私の両親の双方に、ルシェ族の血が混じっていたのだ。薄い、 薄いその血は、奇跡的な結びつきの果てに、私の頭の耳として結実した。こう いった「取替え子(チェンジリング)」は、珍しい事例ではあるが、まったく ないわけではない。だが私の住んでいた無垢なる田舎の村では、それは単なる 不貞の証しでしかなかった。 12年、好奇と侮蔑の目に耐えながら生きた。 12年、無視と怨念を背に生きた。 12年目が終わろうかというある冬の日、私は村のワル気取りな連中に開店前 の酒場へと呼び出され――その場で犯された。6、7人の男たちは、何も知ら ない私を好き放題に貫き、汚し、思うが侭に快楽を貪った。私はただただ痛み に耐えながら、この地獄が過ぎ去ってくれることを祈り、同時に、これからの 日々はこの地獄とともにしかないことを悟った。 ああ、でもそれだけであったなら。それだけであったなら、私はきっとあの 地獄をも平穏な日々として受け入れ、男どもの性欲解消人形として毎日を過ご しただろう。どんなに悔しくても、どんなに苦しくても、彼らは私が存在して いることを認めてくれる。たとえそれが肉の奴隷でしかなかったとしても。 私の家には、「私」がいない。 甘美な屈辱に塗れた私の目の前に、鈍く光る刃が見えた。 ――こいつ、耳の裏を触られるといい声で鳴くのな ――すっげえ笑える。うちの猫と一緒じゃん、それ ――ってことはあれか、こいつ、恥ずかしい場所をブラブラさせて歩いてるっ てことか ――いかんなあ。いかん。不道徳だなあ ――こいつに、女の貞淑さってのを教えてやらんといかんだろ 全身にねばねばした体液を浴び、息も絶え絶えだった私は、自分の耳の後ろ に冷たい刃の感触を覚え、そして次の瞬間、言葉にできない痛みが全身を突っ 走った。 ぼたり。ぼたり。 私の顔を覆う粘液とは違う熱さを持った液体が、私の頬を伝り、目に入り、 口のなかに鉄っぽい味がこみ上げる。私は悲鳴をあげた気がしたが、自分の声 はどこまでも遠かった。そもそも、声が出ていなかったのかもしれない。ただ、 視界が真っ暗に閉ざされていくのだけが分かった。 気がつくと、私は雪道を歩いていた。頭はジンジンと痛み、粗末な靴の中で 足の指が刺すような痛みを訴えていた。私は、歩かなくてはならなかった。行 くあてはなくても、歩かなくてはいけなかった。私のすべてを否定した故郷か ら、一歩でも遠くに、歩かなくてはならなかった。 歩かなくてはいけない。自分の膝が崩れるのが分かる。 歩かなくてはいけない。頬に凍った地面を感じる。 歩かなくてはいけない。頭はなおも痛み続ける。 歩かなくてはいけない。歩かなくてはいけない。 歩かなくてはいけない。 もう、歩けない。 歩かなくてはいけない。 もう、歩けない。 歩かなくてはいけない。 もう、歩けない。 ――もう、歩けない。 そのとき、遠くで馬の蹄の音が聞こえた。 それから14年がたち、田舎の雪道を任務先へと急いでいた師匠――カザン王 国の騎士だ――に拾われた私は、従者としての訓練を終え、騎士の称号を受け た。他人に比べて耳があまり聞こえないというハンディキャップはあったが、 それは私にとってモチベーションを高める材料でしかなかった。 私は、歩かねばならないのだから。私は、戦わねばならないのだから。 王国は危急存亡の時を迎えており、騎士団にはいくらでも仕事があった。だ から初の出陣となる私が、1人でそっと騎士団の建物を出たのを、見咎める者 はいなかった。 もっとも、どこに行くのかと問いただされても、私は答えられなかっただろ う――私自身、なぜ自分が歩いているのか、説明できない。 ただ、気がつくと私は歩いていた。14年前に歩いた、あの道を。 私の頭のなかで、さまざまな風景が回転した。まずは、夜を待つ。人々が寝 静まったところで、最初に駐在の衛視を殺る。これで予備の剣が確保できる。 次に村長の家に侵入して、村長一家を殺る。村長の家にしか、馬はない。馬の 手綱を切って、馬は森に追いやっておく。これで逃げる人間は走る以外の手段 を持たなくなる。 それから、一軒ずつ、慎重に仕事をする。幸い、酒場は村の中央の広場にあ る。酒場から人が出たようなら、そいつを先に片付ける。最初に酒場に飛び込 んだら、多対一になるし、騒ぎになれば逃げ出す奴もでてくるだろう。 そして――私は確実に捕らえられ、師匠は厳しく問責され、簡単な裁判の後、 師匠自らが私の首を刎ねるだろう。それまでに師匠が自決していなければ。私 の名前は騎士団の恥、カザン王国始まって以来最悪の大量殺人犯として歴史に 残るに違いない。 村が見える高台に立ったとき、太陽は山の端にかかろうとしていた。すべて が茜色に染まっていて、私は自分がこの風景を懐かしく思うことに驚いていた。 でも、何かが違った。 私は、自分の動悸が高まるのを感じた。そんな。そんなことって。 14年は。私の14年は。 気がつくと、走り出していた。茜色に染まる花を蹴散らしながら、走った。 故郷に向かう道を、走った。 こんなことって。こんなことって。こんなことって! 村は一面、水晶に覆われていた。広場も、家々も、あの酒場も。人も。 「不貞の娘」「悪魔っ子」の14年ぶりの帰郷を迎えたのは、ゆっくりと夜色に 染まり始めた水晶だけだった。 私は、何も考えられなかった。気がつくと、私は自分の家のドアを開けてい て、気がつくと、私はいつものように暖炉の前の揺り椅子に座って、いつもの ように編み物をしている女の――形をした、水晶の彫像の背中に立っていた。 ゆっくりと、剣をかざした。 深呼吸をする。 14年。この風景を、心の奥底で燃やしてきた。 14年。これだけを、念じてきた。 でも、剣を振り下ろすことはできなかった。カラリと手から剣が落ち、私は 泣いていた。ひたすら、泣いていた。物言わぬ水晶の像にすがって、あの頃の ように、声を殺して泣き続けた。 おかあさん。 おかあさん。 おかあさん……! 階段で、カタンと音がする。私は咄嗟に剣を拾い、背中の楯を構えた。油断 なく、周囲を見回す。訓練で叩き込まれた動きだ。ごく自然に、涙は止まって いた。 階段の上には、両手で杖を構えた、ローティーンの少女がいた。赤毛が印象 的だ。 おびえた瞳が、おどおどと私を見る。本人としては、睨みつけようと思って いるのだろう。でも私が彼女の視線を真正面から受け止めると、彼女の目はき ょろきょろと踊った。 「お嬢さん、私はカザン王国の騎士だ。安心してほしい。国王陛下より、生存 者がいれば救出せよとの命令を受けている。ともあれ、降りてきてはくれまい か?」 「出て行け! 何が騎士だ! ここは、あたしの家だッ!」 私は軽い衝撃を受けた。混乱した頭を整理する。14年あったのだ。そういう ことがあっても、不思議ではない。母は、お世辞にも素行が良いとは言いがた かったし、なによりこんな辺鄙な村でいわくつきの女が1人で生きていくとなれ ば、できる仕事には限りがあった。 私は苦笑して、妹に呼びかける。 「お嬢さん、落ち着いて。お嬢さんのほかに、まだ生きている人は?」 「あたしの母さんは生きてる! まだ生きてる! 死んでなんかいないッ!」 「貴女の言うとおりだ、修正しよう。まだ水晶化していない人は?」 「……あたし以外、みんな……」 妹の顔がぐしゃりと歪んだ。泣き出しそうなのを、必死で堪えている。私は 剣をしまい、楯を背負いなおすと、階段を上がった。妹は、はっとして杖を構 えなおす。 私は構わずに階段を上る。妹は、大上段から大振りで私に殴りかかった。か わす必要も、受ける必要もない。杖が私の額を打って、一瞬だけくらりとした。 額から血が流れるのを感じる。 大丈夫。こんなのは、痛みじゃない。 唐突に、妹は自分がとんでもないことをしでかしたのを悟り、杖を取り落と した。真っ青になって震えている。 「大丈夫。安心して」 へたり、と妹の腰が落ちた。最後の数段を上って妹の頭をそっと抱き寄せる。 「怖かったね。ひとりで、よく頑張ったね。もう、大丈夫。大丈夫だよ」 火がついたように、妹が泣き始める。こんな小さな子が、この死者の森のな かで、どれくらいの時間を耐えねばならなかったというのか。おそらくは私と 同じように冷たくあしらい続けた母の、憎んでも憎み足りない背中を眺めなが ら、どれだけの感情を押し殺してきたというのか。 妹は、ひたすら泣き続けた。私は腕の中のぬくもりを逃がさぬよう、彼女を 抱きしめていた。 「あたしはッ! 絶対に、みんなを助けるんだからッ! あんたも協力してよ ねッ! 騎士なんだから、困ってる善良な村人を助けるのは当然でしょッ!」 私は苦笑しながら、背後でわめきたてる妹の声を聞く。 「分かってる。これで何度目だ、いったい――。とにかく、まずは街まで行く。 状況を報告しなくてはならないし、私だけではできることにも限界がある」 「あんただけじゃないッ! 何度目だッ! あたしも戦うんだからッ! 村長 さんに、治療の魔法を習ったんだからッ! あたしだって役にたつんだッ!」 肩をすくめ、妹のわめき声を受け流す。ダメだと言ったら、彼女は確実に1人 で旅に出ようとするだろう。それくらいなら、つれて歩いたほうがマシかもし れない。その治療の魔法とやらが、どれくらい使い物になるかわからないが。 「フン、また無視かッ! あんた、騎士のくせに、すっごい鈍感。頭に耳つい てんの?」 ちくり、と心が痛む。振り返って、私は妹を睨んだ。 「ちゃんと二つ、頭についてる。わめきながら歩いていると、疲れるぞ。昨日 みたいに背負って歩くハメになるのは、御免だ。一緒に旅をしたいというなら、 なおさらだ」 「フン!」 妹が鼻息あらくそっぽを向く。負けん気だけは一人前だ。私たちは、しばら く黙って道を急いだ。 「――ねえ、あんた、なんであのとき泣いてたの?」 沈黙に耐えられなくなったのか、妹がまたわめきだした。 「ねえ! 聞いてるのッ?」 私はため息をついて、振り向かずに答える。 「あの女性は、私の――古い、知り合いだった。それだけだ」 「フーン。あのクソ婆が、騎士なんかと知り合いだなんてね」 「人の世には、不思議な縁というものがある」 「縁ねえ。じゃあ、あんたとあたしが出会ったのも、何かの縁ってこと?」 「そうなるな。わかったら、歩け」 縁。それ以外、あり得ないだろう。なおもわめきたてる妹を無視して、私は 道の先に視線を送る。 街までは、もう一息だ。
https://w.atwiki.jp/7thdragon3/pages/43.html
女性B:佐藤利奈 ※以下ネタばれを含みます 女性B:佐藤利奈 汎用台詞 汎用戦闘台詞 サムライスキル エージェントスキル ゴッドハンドスキル デュエリストスキル ルーンナイトスキル フォーチュナースキル メイジスキル バニッシャースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「準備はできてるわ!」 ナガミミぬいぐるみ 「カメラとか…ないよねぇ?」 「ずっとそばに…いてくれる?」 パーティー加入 「頑張るね!」 室内 「あら」(チャプター1) 「お疲れ!」(チャプター2~4) 「どうしたの?」(チャプター5~5.1) 「泣かないで…」(チャプター6) 「さっさと片付けちゃいましょう!」(チャプター7) 料理 「うふふ、任せて!」「料理はぁ…愛情!」 ラウンジ 「あのね……大好き!」(ハート0) 「ねぇ…失いたく、ないの…」(ハート1) 「私の鼓動…聞こえる?」(ハート2) 「私のこと…ちゃんと好き?」(ハート3) 「好きにして…いいんだよ?」(ハート4) 「一緒に、頑張ってきたじゃない」(ハート5) 「全世界が敵でも、あなたが好き!」(ハート6) イベント 「やるしか…ないんだし…」(スペクタス戦前) 「報いを受けなさい!」(ニアラ戦後イベント) 「あとは、任せて!」(ヒュプノス戦後イベント) 「やるしか…ないのね」(ユウマ戦前) 「私達強くなったでしょう…!」(ND戦後イベント) 「愛にあふれた未来のために!」(ラストバトル後、1stリーダー) 「希望に満ちた明日のために!」(ラストバトル後、2ndリーダー) 「未来は私達で紡いでいく!」(ラストバトル後、3rdリーダー) 「やろう! やあっ!」(ラストバトル勝利後イベント) 奥義習得 「無駄にはしないよ」(サムライ/ルーンナイト) エンディング 「…うふふ、ただいま!」 汎用戦闘台詞 上へ エグゾースト 「はあああああっ!」 バディ呼び出し(低好感度) 「どう?いけそう?」 「準備出来てる?」 「ねえ、まだ?」 「見えた!」 バディ呼び出し(高好感度) 「いつも通りに!」 「頼りにしてる!」 「合わせてちょうだい!」 「ねえ、いい?」 バディ攻撃開始(低好感度) 「いつでもいいわ!」 「いけるわよ!」 「わかってる!」 「合わせてあげる!」 バディ攻撃開始(高好感度) 「これで決めましょ!」 「はいはい」 「じゃあ行きましょうか!」 「任せて!」 サポート開始 「思いを込めて!」 「あなたのためなら!」 「癒し系で!」 「もっと楽しんで!」 「どうぞー!」 ユニゾン開始 「皆!」 勝利時 「良かったんじゃない?」 「このくらい普通かな?」 「まだまだね…」 退却時 「こんなところで死ねない!」 対ドラゴン戦 「綺麗に決まった!」 「ちょっとキツかったぁ…」 イベント勝利時 「願いは叶うの!」(ニアラ戦) 「もう消えなさい!」(ヘイズ戦) 「楽にして…」(ヒュプノス戦) 「どうして…わからない!」(チカ&リッカ戦) 「これで…満足?」(ユウマ戦) 「夢ならいいのに…!」(ND戦) 「私達の、勝ち!」(ラストバトル) 「今度こそ…さよなら…」(幻視火天・影戦) レベルアップ時 「うん、いいわね!」 「まだ道は半ば」 サムライスキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 旋風巻き 「決まれぇ!」 力閂オロシ 「やあっ!」「届け、この思い!」 金翅鳥王旋風 「許せないから!」 八双大蛇突き 「穴が空くわよ!」「思いをまっすぐ!」 崩し払い 「はぁっ!」「油断しないで!」 十六手詰め 「はぁっ!」「そんなに見ないで!」 双剣 飛天斬り 「空高く!」 双剣 割きモミジ 「やあっ!」「熱く燃えて!」 双剣 旋風舞い 「決まれぇっ!」 双剣 風林重ね 「私を引き立てて?」→ 「はぁっ!」 双剣 影無し 「決まれぇっ!」 双剣 大一文字 「思いをまっすぐ!」 修羅の貫付け 「私が守る!」 練気手当 「肌が荒れちゃう!」 赤気の呼気 「私はできる!」 黒鋼の呼気 「やればできる!」 丹田法の訓 「気合入った?」 不動居 「テンポ変えよっかな?」 水月の構 「私はここだよ!」 収刀の紡ぎ・破 「私が守る!」 抜刀の紡ぎ・破 「私が守る!」 憤怒の刃 「バカにしてる…!」 刃下のリアクト 「受け止めてみせる!」 天地断ち 「やるしかないのね!」「往生しなさーい!」「胸が…ドキドキ…」 乱れ散々桜・双 「もう、謝っても手遅れなんだよ!」「やあっ!」「せめて綺麗に散りなさーい!」「はぁっ!」「やぁっ!」「いつか…私も…」 エージェントスキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 ブッシュトラップ 「恋のトラップ!」→「ハートにずっきゅん♪」 ジャンプショット 「せやぁ!」「乱れ撃ち」 ラッシュショット 「せやぁ!」「当たって」 エイミングショット 「せやぁ!」「ロックオン!」 エア・アサルト 「せやぁ!」「もっと私を見て」 ニーブレイク 「どうぞごゆっくり」 マッドストライフ 「お願い聞いてくれる?」 スケイプゴート.x 「貰っていいの?」 ロストパワー.x 「強がらなくていいのっ」 スリープオール 「高めて!」「おやすみっ」 ファイア:TROY 「せやぁ!」「情熱的な私っ」 アイス:TROY 「せやぁ!」「クールな私っ」 ハッキング 「高めて!」「言うこと聞いてっ」 エスケイプスタンス 「皆、下がって!」 トリックハンド 「相手してらんない!」 ハイディング 「影から見守ってる」 チーターマン 「スピード勝負だよ」 ハックスティール 「せやぁ!」「抵抗しないで」 アサシンズリアクト 「本当の私を見せてあげる」 インドラの炎 「本当の私を見せてあげる」「ぜーんぶ受け止めてもらうんだからぁ!!」「でも、嫌いにならないで?」 ゴッドハンドスキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 ジャブ 「もう、やだあ」 正拳突き 「力を…」「でえぇぇい!」 ブリッツエンデ 「力を…」「持ちこたえられる?」「たぁっ」 ダブルフック 「力を…」「コンビネーション!」 スピネイジブロウ 「力を…」「信頼と、裏切り!」 クーデグレイス 「力を…」「楽にしてあげる」 ドリルクロウラー 「力を…」「かき混ぜてあげる!」 迎撃スタンス 「来るなら来なさい!」→「お返し!」 アンチ・バステ 「まだ諦めない?」→「無駄よ!」 カイロブラクティク 「癒してあげる」 デトックス 「治るかな」 心肺蘇生 「終わっちゃうよ」 攻めの経絡 「攻めのツボはここっ」 護りの経絡 「護りのツボはここっ」 弾きの経絡 「速さのツボは~?」 ゴッドチャージ 「全部お見通し」 最期の炎 「倒れてられないっ」 先制ゴッド 「私は本気っ」 星屑プレス 「力を…」「ハイパーロマンス☆」 ゴッドリアクト 「受け止めてあげる」 アースブレイカー 「ハートが欲しいの?」「せい!」「たあ!」「っていうか、折れろよ心!」「分かってもらえたかな?」 デュエリストスキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 Xバーン 「燃え上がって!」→「シューティングスター!」 MANAゲイン 「回復しますっ」→「私癒し系だしぃ?」 召喚:炎のマモノ召喚:炎のマジュウ召喚:炎のドラゴン 「もっと…」「炎で魅せてっ」 召喚:氷のマモノ召喚:氷のマジュウ召喚:氷のドラゴン 「もっと…」「クールにお願いっ」 召喚:雷のマモノ召喚:雷のマジュウ召喚:雷のドラゴン 「もっと…」「この子は速いよっ」 トラップ:落とし穴 「恋の落とし穴っ」→「釣れたぁ!」 トラップ:鉄条網 「チクッとするよ」→「釣れたぁ!」 トラップ:火炎旋風 「期待してて」→「釣れたぁ!」 フィールド:火山 「もっとアツ~くっ」 フィールド:氷河 「もっと冷静に」 フィールド:雷雲 「刺激的にっ」 サプライ・ドロー 「いいの来て!」 サーチ:炎カード 「熱気を開放!」 サーチ:氷カード 「冷気で勝負!」 サーチ:雷カード 「雷鳴を呼ぶ!」 ラッキーダイスロール 「もっと…」「信じてるからっ」 ジャッジメントターン 「もっと…」「積極アプローチ!」「さあ!」 俺のターン! 「もっと…」「延長お願いですっ」 天運のリアクト 「勢い感じるっ」 巨神召喚 「やってまいりました、ファイナルターン!」「ぶっ潰しちまって、いいんだよ!」「ハッピーエンド♪」 ルーンナイトスキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 アイスソード 「冷気を!」「(通常攻撃)」 エレキソード 「雷撃を!」「(通常攻撃)」 ドレインソード 「頂戴」「(通常攻撃)」 ラミアンソード 「頂戴」「(通常攻撃)」 ブレイブソード 「ふんさーい!」「必殺!」 エンチャントアイス 「冷気オン!」 エンチャントエレキ 「電撃オン!」 挑発 「私ここだよっ」 反撃の狼煙 「これからだしっ」 騎士の憤怒 「切り抜ける!」 ベルセルク 「変わらなきゃ」→「ああぁぁ!!」 騎士の恵み 「応援するよっ」 騎士の眼差し 「大丈夫」 オーラシールド 「もっと楽しもう」 身命の誓い 「変わらなきゃ」 身代わり 「私に任せてっ」 クレンチング 「勝たないとっ」 騎士の誇り 「悔いを残さずっ」 護りの要 「慎重に行こう」 タフネスリアクト 「私もいるよっ」 オーディンの怒り 「悪いけど…絶対に許さない!」「精々泣き喚きなさーい!!」「手が…震えてるよ」 フォーチュナースキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 レベレーション 眠 「休息が必要ね」「(通常攻撃)」 レベレーション 血 「血圧高いね」「(通常攻撃)」 レベレーション 盲 「目蓋が重そう」「(通常攻撃)」 レベレーション 毒 「邪気が見える」「(通常攻撃)」 レベレーション 呪 「恨まれてるね」「(通常攻撃)」 レベレーション 死 「死相が出てる」「(通常攻撃)」 魂のオラクル 「さあ!!」 力のオラクル 「まだ足りない?」 ギフト・フォー・ユー 「痛いの、飛んでけ!」「(通常攻撃)」 サクリファイス 「これが定めなら…」「はあああああっ!」 力学の否定 「強くならなきゃ」 魔法の否定 「跳ね返す!」 イーコール 「分かってるのに」 マナフローター 「遠慮なしでっ」 風と木と詩 「必要そうね」 月明かりの詩 「行ける所まで」 太陽の加護 「あなたが必要なの」 月の加護 「何も問題ないわ」 星の加護 「この先のために」 追随のリアクト 「勝利は目前よ!」 ユグドラシルの風 「神様…私はどうすれば…」「わが身が張り裂けるようなぁ!」「私、お嫁にいけるかな」 メイジスキル 上へ 通常攻撃 「たぁっ」 「やっ」 「はぁっ」 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 フレイム 「熱い炎を」 ヴォルケイノ 「全力で!」「炎の渦を」 フレイムヴェイル 「もっと熱くなって!」 フリーズ 「震えなさい」 ブリザード 「全力で!」「凍りつきなさい!」 フリーズヴェイル 「クールに決めて」 ショック 「災禍の電撃!」 ボルトストーム 「全力で!」「雷よ鳴り響け!」 ショックヴェイル 「痺れちゃうね」 マナバレットヘヴンズプレス 「全力で!」「素直で行くよ!」 シールドクラフト 「冷静でいなきゃ」 メイジズコンセント 「全力で行く!」 キュア 「何度でもっ」 リカヴァ 「はああああ!!」「すっきりしようか」 リザレクション 「はあああああっ!」「やることあるでしょ」 MANA・バーン 「素直で行くよ!」 ヒーリングマナ 「はあああああっ!」「読み通り!」 デッドマンズリアクト 「はあああああっ!」「いざって時のため」 ジエンドオブワールド 「わたし達、もう戻れないから!」「終わりの始まりを、見届けて!!」「これでよかったんだよね」 バニッシャースキル 上へ 通常攻撃 通常攻撃(クリティカル時) 「これで!」 「必殺!」 クラップトラップ 「発射!」 バーストアタック 「当てるよっ」 カーペットボム 「はぁぁぁ!」「全員まとめて!」 ドラゴンバスター 「はぁぁぁ!」「狙い撃ち!」 スローイングスピア 「いっけぇぇぇぇ!」 オーバースピア 「はぁぁぁ!」「近づかないでっ」 ラッシュスピア 「はぁぁぁ!」「穴が開くわよっ」 アサルトスピア 「突撃ぃ!」「せい!」 コメットスピア 「私、行くっ」→「食らえぇぇぇ!」 アースクエイク 「震えちゃった?」 轟音 「ぼんやりしてると…」 煙幕 「休憩入りまーす」 爆薬散布 「もっと弾けましょ」 爆薬転換 「いつでもどうぞ」→「いつもありがとう エクスターミネート 「先手必勝!」 ウォークライ 「勢いは大事だから」 リロード 「ちょっと待ってて」 オートリロード 「次に備えてっ」 キリングリアクト 「全力で相手になる!」 爆熱ランスドライバー 「突き抜けて、どこまでも高く!」「砕け散ってもらうよー!!」「完全燃焼!」 コメント欄 名前 コメント